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“DevOpsにおける運用”を今の常識で考えていても答えは見つからない

2018/03/23 06:30

 今回、編集長よりDevOpsについてOps(運用)の観点から記事を書いて欲しいというお話を頂き、是非ともこのテーマについて連載を書かせて頂きたく手を挙げさせていただいた。本連載『IT運用担当者のためのDevOps入門』を通じて日本企業の情報システムに対する考え方に一石を投じる事が出来れば幸いだ。まずこのテーマの本題に触れる前に筆者が日々感じている問題意識を少しだけ共有させていただきたい。

このテーマを今の常識で考えていても答えは見つからない

「ITがなくてもXXは作れる。ITがなくても仕事は回る。IT部門はパソコンと面倒なシステムをオモリしているだけの部署で事業には直接関係しないから」

 かつて私がまだIT運用コンサルをしていた十数年前、ある企業のIT部門のリーダーがこんなことを言っていたのを思い出す。

 筆者もそれなりに歳を重ね、それなりの企業の経営者レベルの方々とも会話する機会が増えてきたが、未だにそういう固定観念が残っているのが言葉の端々で伺えるから困ったものだ。

 ましてや情報システム部門、システムインテグレーターと呼ばれる人たち。当事者であるこの人たちの多くもまた、この固定観念に疑問を持たない。明らかに「古い常識:Old Normal」という仕組みから抜け出せないでいる。「新たな常識:New Normal」に気づいた人を変人、例外、うちは関係ない、などの扱いする典型的な人種なのだ。

 そう言う人種もプライベートでは、「オッケーグーグル、明日の天気を教えて」と言ってみたり、タブレットを片手に子供や孫に手を振り、お店に行かなくても手元で買い物をし、ワクワクしながら夕食後に届くのを待っている。

 よく考えて頂きたいのは、変われない人たち「Old Normal」にそういう生活を提供してくれている人たちこそ、「New Normal」であり、もちろん最初は「New Nomalではなかった人」が作り出したのだという現実だ。

 IT運用、情報システム部、システム開発……、こうした言葉そのものが、まさに企業がビジネスとITを分けて考えているが故の結果であると筆者は思う。

 ”ITはビジネスの一部である”ともう何年も前から言われ続けているのに関わらず、実際にビジネス側がITを一部と思っていないのには理由がある。

システムの中身の事は「運用」なのでわかりませんので―。と、あなた自身も言ってはいないだろうか?

システムの中身の事は「運用」なのでわかりませんので……
と、あなた自身も言ってはいないだろうか?

 情報システム部門、CIOが経営や事業部に対して日々行っている報告、またシステムインテグレーターにおいてはその顧客に対していつも行なっている事を振り返って頂きたい。

 「えー、今月はサーバ可用性 99.999%、ネットワーク可用性99.9999%、ICMPのパフォーマンス3ms以下でした」 「ハードウェアの障害が多いです」「あとはアプリ側なのでそちらはアプリから」 ……という数十ページのその報告会でしか開かれないであろう月次報告書を提出してはいないだろうか?

 ミーティング終了間際に、偉い方に「次回はここだけサマリーして出してくれる?よろしく」と言われ、「あ、はい、了解です。では次回こう言う形式で」……こんな事だから”IT”と言われてしまうのだ。

  「新たなツールを…」「投資対効果が見えない。どれだけ効果があるのかを出しなさい。あー、それより、ITコストを2割ほど削減しなさい」と言われて疲弊するIT。だが、そう言わせているのもITである。 

 物事を決定するためには、試してみないことには判断できない。しかし、経営層はITの知識などないのに決めなければならない。それを「彼らはITを分かってないので」と言っているIT部門の人、後ろを向いて下さい。背中に「Old Normal」貼らせて頂きます。システムの中身の事は「運用」なのでわかりませんので……。と、あなた自身も言ってはいないだろうか?

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著者プロフィール

  • 伊藤 正博(イトウ マサヒロ)

    日本CA株式会社 シニアビジネステクノロジーアーキテクト 国内SIでの公共・製造向けのシステム開発、外資ハードウェアベンダにて運用管理パッケージ製品の実装サポート経験を経て2000年に日本CAに入社。以降、運用管理系のソフトウェアの提案、ITIL Version2の翻訳に参加、約10年のITIL活...

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