RPAはPoCから本格的な拡張期に突入
2017年では、PoC(Proof of Concept)のフェーズが中心だった。PoCの目的はRPAの具体的な効果を試す、自社業務に適するかどうか技術的検証、そして自社内でどう使えるか成功事例を作ることなどだ。主に業務部門が中心となり、対象部門も予算も限定的なスモールスタートによってトライアルするというケースが多く見受けられた。
髙見氏によると「導入した企業の多くはRPA導入に成功したと考えています。あるアンケートでは100%が『期待通り』と回答していました」という。ほぼ失敗なしということだ。そうなると、次はおのずと全社展開やグループ企業展開となる。現時点ではまさに「どう拡張するかという段階に来ている」と髙見氏。加えて全社展開するとなると社内のITインフラも関係してくる。IT部門が関与する必要性が増えてきているという。
また2017年の傾向として、「RPAというよりはRDA(Robotic Desktop Automation)に近い」と髙見氏は指摘。いわば表計算マクロの延長というイメージだ。これはこれで業務効率化が進むものの、個人や範囲の効果が限定的だ。本格的な業務改革につなげていくには「視点を広げていく必要があります」と話す。
2017年はまずは「使える」と手応えを得て、今後は「どのように(全体で)展開していくか」。先頭集団はいよいよ「本番突入」という段階にさしかかっている。これからRPAをスタートする人たちに向けて、髙見氏はプロセス全体をあらためて解説する。