エンタープライズITの世界で2018年のキーワードを選定しようとするとき、上位に来るのがGDPR(一般データ保護規則)でしょう。情報セキュリティ意識調査(DSCI)の結果をご覧いただいてきたこの連載の最終回では、日本のITマネージャーが抱くGDPRへの意識と、個人情報保護に欠かせない暗号化管理についてご紹介します。
GDPRが何となく不安? 「多少影響がある」が71%
グラフ1は、GDPRによる自社への影響を尋ねた結果です。日本企業の回答は、「重大な影響がある」が17%、「多少影響がある」が71%でした。特徴的なのは、重大な影響があると考える企業の比率は12か国中最低、これに対して多少影響があると考える企業の比率は調査国中最高だということです。

何となく不安を感じてはいても、まだ当事者意識は薄い、と分析するのは掘り下げが浅いかもしれませんが、日本のITマネージャーの危機感が他国より弱いことは見て取れます。
GDPR対応が具体化しない原因に「経営層の理解不足」
その理由の一つに挙げられているのが、経営層の理解不足です。グラフ2をご覧ください。突出して高い南アフリカに次いで日本は46%と2番目に多く、調査国全体と比べて17ポイント高くなっています。個人情報保護の強化は、他のプロジェクトに増して全社的な取り組みが必要になります。読者の皆さんもご苦労されているかもしれません。

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河原田 誠司(カワラダ セイジ)
ジェムアルト株式会社 アイデンティティ&データ プロテクション事業本部 リージョナル&チャネルマーケティングマネージャー
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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