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エクスペリエンス・エコノミー勝利の鍵は「Xデータ」と「Oデータ」の統合

―SAPPHIRE NOW 2019が開幕


 SAPのグローバルなユーザー会議「SAPPHIRE NOW 2019」が、米国フロリダ州オーランドで開幕した。30周年となる今年は、世界中から3万人が集まった。昨年のSAPPHIREでは顧客データに注目し、顧客のシングルビューを提供するための「C/4HANA」の提供を発表した。今年も引き続き、顧客体験を向上させることがテーマだ。顧客、社員といった企業に関わるさまざまな人たちの体験を向上させるには、X(eXperience)データとO(Operational)データを統合し管理する必要があるという。

SAPを主導する、ユーザー会を含む強力なエコシステム

SAP CEO ビル・マクダーモット氏
SAP CEO
ビル・マクダーモット氏

 オープニング基調講演に登場したSAP CEO ビル・マクダーモット氏は、企業が今どこにいて、これからどこに向かい、そこに行くにはどうするのかという3つに沿って話を進めた。現状のSAPは、旧来のERPのアプリケーションを提供するビジネスから、変革を進めている最中だ。そのために700億ドルもの投資をしており、世界中の190カ国で10万人の社員が新しい製品やサービスの開発のために働いている。結果としてSAP HANAが生まれ、S/4HANAではエンド・トゥー・エンドなビジネス・アプリケーションを提供している。それらSAP製品の開発、活用をサポートしているのが、今回のイベントを主導するユーザー会を含む強力なエコシステムだ。

「多くの企業がS/4HANA、C/4HANAを使い変革を行っています。SAP Cloudを使っている企業も既にたくさんあり、彼らはこれらを使って自分たちのペースで変革のジャーニーを歩んでいます」(マクダーモット氏)

 このような状況にある企業が向かう先は、エクスペリエンス・エコノミーの世界となる。SAPではこれまで、企業のビジネスプロセスを統合し効率化することに取り組んできた。それをクラウドに載せ、さらにマーケティングのツールなどさまざまな機能も買収して追加している。またSAP HANAを使うことで、さまざまなアプリケーションのデータを統合化しリアルタイムに処理できる。それによりデータを分析して予測し、新たなアクションを起こす。それで顧客の体験を向上させるのだ。

 今後より顧客体験を向上するには、企業側のオペレーションを効率化して顧客へのサービスに注力できるようにするのと同時に、顧客の360度ビューを見て顧客の求めるものを予測して提供する。そのためには360度ビューで得られる顧客側のさまざまなデータだけでなく、財務の情報やサプライチェーン、ロジスティックスの情報、また倉庫の情報なども併せて見ていく必要がある。つまりはXデータとOデータを一緒にすることで、顧客体験をこれまで以上に向上できる。これがSAPの新たな顧客体験向上の戦略となる。

 企業のCEOの80%は素晴らしい顧客体験を提供していると言うが、素晴らしい顧客体験を受けていると応える顧客は8%しかいない。この大きなギャップは市場規模としては、1.6兆ドルほどもあるとマクダーモット氏。このギャップをSAPでは、SAP Cloudで提供するS/4HANA、C/4HANA、さらにはSAP AribaやSAP SuccessFactors、新たにSAPが買収したQualtricsなどさまざまな製品群で埋めていくことになる。

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足りないXデータを収集するQualtrics

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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