コロナで揺らぐ株主総会、バーチャル化に期待
新型コロナウイルスの影響は企業の会計・決算業務に深刻な影響を与えた。特にグローバルに展開する大企業などでは、各地の財務情報の収集の遅れが生じたり決算そのものをずらす企業もあった。とはいえ3月期決算企業の株主総会は6月末という原則は変わらないため、多くの企業がぎりぎりに間に合わせるという状況だった。
株主総会の担当者にとっても頭の痛いのが当日の運営だ。一般に株主総会といえば高齢者が多くなりがちで、開催地も都心のホテルなどでおこなわれる場合が多い。今年に限って言えば、感染予防のため3密の状況は避けたい。したがって、招集通知書に、「当日の来場はお控えください」という自粛要請を入れるという微妙な対応となった。
こうした中では、バーチャル株主総会(オンラインによる株主総会)に期待が寄せられるが、日本の場合、オンラインだけでは適法とみなされないという事情がある。したがって、株主総会をリアルに開催しつつ、その模様をライブで配信するという「ハイブリッド型バーチャル株主総会」が現実的な選択肢となっている。
今回、アステリアが実施したのは、参加者のオンラインでの視聴に加え、議決権行使をネットでおこなえる「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」というものだ。
アステリアは、議決権投票を備えたこの形式をすでに実施してきた。一昨年にブロックチェーンによる議決権投票の実験を行い、昨年にその本格導入を開始した。昨年はリアルな総会の出席者が184名だったことに対し、今年の参加人数は7名、質問数は昨年が8問に対し今年が19問、議決権投票に関しては、郵送による投票とブロックチェーン投票の比率が、それぞれ50%となった。ブロックチェーン投票の人数については、昨年が200名で今年は約500名と昨年比で2.5%となった。