SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

週刊DBオンライン 谷川耕一

米Qlikのドスサントス氏に訊く データとデジタル、2つのCDOは何が違うのか?

 デジタル変革という言葉が普及し、CDOと言えば「チーフ・デジタル・オフィサー」を指すことが増えた。少し前ならCDOは「チーフ・データ・オフィサー(最高データ責任者)」のことだっただろう。似たようで実は求められる役割もスキルも異なるこれら2つの役割は、いったいどのようなものなのだろうか。米QlikのCDO ジョー・ドスサントス氏に訊いた。

チーフ・データ・オフィサーとチーフ・デジタル・オフィサーは何が違うのか

米国Qlik CDOジョー・ドスサントス氏

 チーフ・デジタル・オフィサーは、ビジネス上の問題をデジタルの力を用い解決する役割を担う。ITよりも、どちらかと言えばマーケティング領域の業務に携わることが多い。顧客との関係性を改善し顧客の多様な要求にタイムリーに応えられるようにする。そのために、必要なアプリケーションなどを開発する指揮を執ることもある。また顧客との新たな接点を管理するために、クラウドの活用を推進することもあるだろう。

 一方、チーフ・データ・オフィサーは、企業の中でデータを主管する立場となる。社内で活用するためのデータをいかに用意するのか。業務に必要なデータを、タイムリーに使えるようにする。それをサービス化することにも取り組む。さらに、提供するデータから知見を得るためのアナリティクスの仕組みの構築も担当するだろう。また、企業内で適切にデータの管理ができているかの責任も負う。企業においてデータ扱う上で必要なコンプライアンスやガバナンスのための管理も担当範囲だ。これらを推進するチーフ・データ・オフィサーの業務は、IT系と見なされることが多い。

 米国Qlik本社でCDO(チーフ・データ・オフィサー)を務めているジョー・ドスサントス氏は、これら2つの立場は「パートナー関係にあります」と言う。チーフ・データ・オフィサーの役割は、データの質を向上させ、それをタイムリーに活用できるようにすること。それによりチーフ・デジタル・オフィサーが生み出すアプリケーションの効果などを高めることにつなげる。

 チーフ・デジタル・オフィサーがデジタル戦略の目標をチーフ・データ・オフィサーに提示し、その目標達成を支えるためのデータ分析環境をチーフ・データ・オフィサーが用意する。つまりはこの2つの役割の連携、パートナーシップは、デジタル変革実現のために極めて重要なものとなるとドスサントス氏は説明する。

 チーフ・デジタル・オフィサーとチーフ・データ・オフィサーでは、求められるスキルセットが異なる。前者は、顧客などと向き合い、関係性を深めるためにSNSをどう活用するか、消費者がどのようにモバイルアプリケーションを活用しているかなどを把握し、それを自分たちのビジネス価値にどう適用するかを考える。つまりはデジタル変革を実現する道筋を考えるスキルが必要となる。一方チーフ・データ・オフィサーは、データ分析環境をどう構築し、可用性をどう確保するか、さらには社員のデータリテラシー向上のために何をすれば良いかなどを考えるスキルが求められる。

 「チーフ・データ・オフィサーもデジタル変革実現の一部を担いますが、むしろそのためのデータの正確性を担保するといったところにより力を入れることになります。場合によっては、従来型の経営管理レポートをきちんと出せるようにする仕事も含まれます」(ドスサントス氏)

次のページ
日本にはチーフ・データ・オフィサーもデジタル・オフィサーも極めて少ない

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/14427 2021/05/25 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング