中古スマホという成長市場にデジタルで挑む
スマホは1人1台が定着してきた。総務省の情報通信白書によると、スマホの世帯保有率は2019年には8割を超え、個人保有率は7割弱。実質的には誰もが保有しているところまで普及した。
かつては中古スマホの購入は珍しかった。数年もするとカメラの画質など性能が見劣りし、アプリやセキュリティの制限もあったからだ。しかし今では端末の耐久性が上がり、最小限の機能でいいなら中古スマホは悪くない選択肢だ。
中古スマホ市場の拡大をうけ、中古スマホをビジネスの軸にすえる企業も現れた。その1つが2019年に伊藤忠商事の社内スタートアップとして設立したBelongだ。中古端末販売サイト「にこスマ」、買取の「Belong買取」、中古スマホサブスクリプション「にこスマMore」を運営している。「にこスマ」では美品で高品質な「三つ星スマホ」のみを扱うところが特徴だ。
Belongは伊藤忠商事社員の井上大輔さん(現Belong 代表取締役社長 CEO)と清水剛志さん(同 取締役副社長 COO)が立ち上げた。そこに2020年6月からCTOとして加わったのが福井達也さんだ。技術戦略策定やサービス開発を統括している。
エンジニアチームがまだ少人数なのでやれることは限られている。できる限り生産性を高めるためにインフラのコード化(IaC)や業務の自動化を推進し、属人化防止や持続性向上を意識しているという。会社のサービスを担うメンバー自体はデジタルに通じているものの、中古スマホ査定などの現場は個人のスキルや経験に委ねられるところが多いためだ。