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NTTなどが「Gaia-X」の知見などを基にした、データ流通プラットフォーム開発へ

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とNTTデータは、日本電信電話(以下、NTT)が提供する技術および、欧州「Gaia-X」に関するこれまでの取り組みで獲得した知見をもとに、ドイツの自動車メーカーなどが運営するデータ流通プラットフォーム「Catena-X」と相互接続が可能な、新たなデータ流通プラットフォームの開発に取り組むことを発表した。

データ主権を保護できるデータ流通プラットフォームの全体像
データ主権を保護できるデータ流通プラットフォームの全体像

 ドイツの自動車メーカーやIT企業は、「Gaia-X」で提唱される主要な技術の1つである「IDS」を用いて、「Catena-X」をドイツ国内に構築。今夏にサービス提供を開始する予定だという。一方で、日本企業が「Catena-X」でデータを流通する場合、欧州のポリシーでデータが管理されることになり、日本のポリシーでデータを保護することが困難になるとしている。そのため、欧州のデータスペースと相互接続でき、日本のポリシーで安全にデータを管理できる仕組みを実現することが課題となるという。

課題に対する取り組み

DAPS間接続試験

 「IDS」準拠のデータスペースの必須機能であるデータ交換用ソフトウェア「IDSコネクター」とIDSコネクター認証システム「DAPS」を実装し、同様の機能を実装した「SCSN」と相互接続している。これは、異なるデータスペース間を国際相互接続した世界初の事例だという。これにより、各国それぞれのポリシーでDAPSとIDSコネクターを管理しデータ主権を保護することが可能だとしている。

グリーン分散エネルギー情報流通基盤の構築

 グリーン分散エネルギー情報流通基盤の構築を開始し、DER(分散型エネルギー)データの共有流通機能の実証を行ったという。送配電事業者および需要家のデータを相互に開示することなく、電力系統全体の安定供給に向けたデータ処理を実現するとしている。

セキュリティ技術の開発

 ハードウェア暗号化技術(TEE)を用いて、複数の提供者が所有するデータ並びにそれを分析するプログラムを秘匿したままデータを処理可能なプロトコルを世界で初めて確立。また、暗号化された隔離コンテナ環境で任意のプログラムを実行できることもできるという。これらを、データ主権を保ったまま高速かつ安全に分析を実現できるデータサンドボックス技術として開発。本技術により、データ流通プラットフォームの利用者は、機微な情報の漏えいを心配することなく重要なデータやプログラムを企業や業種の壁を越えて相互に持ち寄り、価値の創出・連鎖が可能になるとしている。

空力特性に関するデータ流通試験

 NTT Comの「Smart Data Platform」上に「withTrust」などを用いて構築したデータ流通プラットフォームのプロトタイプ介して、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の協力のもと航空機の空力特性に関するデータを、JAXAの日本拠点からNTT Comの欧州拠点にセキュアにデータを流通することに、2022年4月成功したという。

 今後は、自動車、航空、エネルギーなどのさまざまな業界の企業や団体に参加を呼びかけ、オープンな共創活動として日本のデータスペースの実現を目指すとしている。また、オランダ応用科学研究機構、ドイツFraunhofer研究機構、IDSAなど海外の組織とも連携し、「Catena-X」など欧州のデータスペースと日本のデータスペースが安全に相互接続できるデータ流通プラットフォームの開発も継続し、グローバルな実証・実装を進めていくという。

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