エンタープライズ2.0をWeb2.0に続く単なるバズワードと考えてないでしょうか? 本連載では、単なる技術紹介にとどまることなく、エンタープライズ2.0の本質をビジネス視点で掘り下げることで、企業利益につながる活動として紹介してゆきます。(後編はコチラ)
前回のおさらい
エンタープライズ2.0って何? という方も多くいらっしゃると思い、前回は“ツンデレ”メタファで潮流や全体感をわかりやすく解説しました。
続く今回は、エンタープライズ2.0らしいサービスの代表例として、「マッシュアップポータルがもたらす経営効果」について解説します。かつてブームになった業務ポータルと何がちがうのか? をWebサービスを応用したウィジェットの仕組みや意味合いを中心に語ると共に、グループ経営やM&Aが一般的になった外部要因の違いによる普及加速の背景についても説明します。
「3億円の利益創出」は「3億円のコスト削減」
タイトルに「きちっと儲かる」と謳っているからには、単にオモシロイで終わらせずに儲け方まで踏み込んで解説します。今回は、「マッシュアップポータル」というエンタープライズ2.0の代表的な領域にスポットを当ててその効果を検証します。
まず、意志決定の流れのおさらいです。エンタープライズ2.0は、一般的に企業内で情報システム予算を確保して行う取り組みです。起案・稟議など実現に向けたプロセスは多くの組織ではまだ1.0的で、必ずといってよいほど、ROI(投資対効果)を求められます。
では、ROIが高いものはすべからく実行か? といえばそうでもなく、なぜならば多くの組織はそれほど暇ではないため、たとえROIが高くてもその効果の絶対額が低い案件にリソースを割くことができません。
したがって、ここでは「きちっと儲かる」目標を「3億円の利益創出」として掲げ、話を進めます。
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砂金 信一郎(イサゴ シンイチロウ)
マイクロソフトでクラウドコンピューティングやWebサービスを中心とした啓蒙活動を行うエバンジェリスト。過去のキャリアを活かし、ソフトウェア技術者とマーケター、さらに戦略コンサルタントの顔を使い分けながら啓蒙活動を展開。日本オラクルにおいて、ERPから情報系ポータル、新規事業立ち上げまで幅広く経験。その後、ドイツ系戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーにて、自動車メーカーを中心に、各種戦...
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