AI insideと東北大学の吉田和哉研究室は共同研究契約を締結し、「極限環境に求められる高耐久・高性能・省エネルギーな次世代型AI」の共同開発とその社会実装に取り組むことを発表した。
両者は、月面・宇宙など人間が立ち入ることが困難な極限環境でも新たな価値を創出できる、高耐久・高性能・省エネルギーな次世代型AIの開発とその社会実装を推進。これにより、気候変動や人口爆発、食糧危機といった世界規模の社会課題の解決に寄与するとともに、人類社会の進化に貢献するとしている。
まずは、月・惑星探査や災害現場といった未知で混沌とした大きな状況変化がともなう環境でも、信頼性高く効率的に知能的な活動を進めることができるAIを開発するという。
東北大学 大学院工学研究科 教授 吉田和哉氏のコメント
当研究室は1990年代より宇宙開発・宇宙探査を推進するロボティクスの研究開発に取り組んでおり、これまでに軌道上ロボットの研究および宇宙実証、小惑星探査機「はやぶさ」の開発、月惑星探査ロボットの研究開発、大学発超小型人工衛星の研究開発などで実績をあげてきました。2022年には内閣府の「ムーンショット型研究開発プログラム」に採択され、2050年代の月面開発を担うAIロボットシステムの開発にも取り組んでいます。地上とは異なる宇宙環境でロボットシステムを機能させるためにはさまざまな技術チャレンジが必要ですが、人の到達が困難な極限環境で、ロボットが人に代わって知能的に活動するためにはAI技術が不可欠です。昨今、AI技術の発展は目覚ましく、これまで夢物語と思われていたことが次々に実現されています。このような先端的なAI技術の社会実装を強力に推進しているAI insideと共同研究を行うことにより、私たちが開発する宇宙ロボットシステムがより実用的なものとなり、今後の宇宙活動の可能性を大きく拡げる成果が生まれることを確信しています。
AI inside 代表取締役社長CEO兼CPO 渡久地択氏のコメント
当社は「AIとテクノロジーによって社会の非常識を常識に変え、人類の進化と人々の幸福に貢献する」ことを使命とし、AI技術の社会実装を他社に先駆けて実現してきました。今回の新たな挑戦は、人類の活動領域を飛躍的に拡大し、世界規模の社会課題である資源不足や人口爆発などを解決することにあります。この目標を達成するためには、自律的なAIや消費電力の飛躍的な低減、Deep Learningの限界の克服など、既成概念にとらわれない破壊的イノベーションが必要です。吉田研究室と当社は、共通の想いを持ち、最高のパートナーであると確信しています。両者の連携によって、新たなテクノロジーを生み出し、宇宙産業の発展に貢献することができると信じています。