IPA(情報処理推進機構)は、基本情報技術者試験(以下、FE)と情報セキュリティマネジメント試験(以下、SG)の2023年4月度合格者を発表した。FE、SGともに最年少合格者は8歳の小学3年生で、FEではこれまでの最年少記録である9歳を4年ぶりに、SGでは同10歳を6年ぶりに更新。また、FEでは87歳の合格者がこれまでの最年長記録である82歳を4年ぶりに更新したという。
FEは、ITに関する基本的な知識・技能を評価する国家試験で、ITエンジニアの登竜門という位置付けの試験。これまでの応募者総数は約926万人、合格者総数は約119万人であり、情報処理技術者試験の中で累計応募者数が最も多い試験区分だとしている。2023年4月に実施した試験では、応募者11,294人、受験者10,513人、合格者5,928人で、合格者の平均年齢は25.1歳。小中学生の受験者は9名、合格者は7名だったという。
SGは、組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から組織を守るための基本的な知識・技能を評価する国家試験で、部門における情報セキュリティリーダー向けとのこと。累計応募者数は約23万人、累計合格者数は約11万人。2023年4月に実施した試験では、応募者2,941人、受験者2,770人、合格者2,111人で、合格者の平均年齢は36.0歳となった。なお、小中学生の受験者は2名、合格者は1名だったとしている。
FE、SGともに、新型コロナウイルス感染症の拡大などを背景として、2020年12月からCBT(Computer Based Testing)方式による試験を実施。2023年4月からは試験実施を通年化したため、これまで一定期間かつ年2回のみであった受験機会が最大年12回に増えたという。
ITパスポート試験では、2011年からCBT方式で通年試験を実施しており、昨今の企業や組織におけるDX推進を背景に年間応募者数が年々増加を続け、2022年度は25万人を超えたとのこと。IPAは、FE、SGの通年化による利便性向上により、ITパスポート試験の合格者がFE、SGにもチャレンジし、IT知識・技能を理解することで、個人のスキルアップや企業のデジタル人材育成が促進することを期待するとした。
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