アステリアは、「ASTERIA Warp」(以下、Warp)が、日本郵船に採用されたことを発表した。
日本郵船は、海上・陸上・航空における輸送に対応し、国内外350以上の港に運航船舶を乗り入れている総合物流企業。同社では、荷物の安全で効率的な輸送に向け、デジタル技術やデータを活用したDXを推進するなか、部署ごとにオンプレミスで個別運用していた海運事業システムの老朽化が課題になっていたという。
そこで、新たな基幹システムとして運航管理業務を支援するSaaS型クラウドシステム「Veson IMOS Platform」(以下、VIP)を導入し、社内のシステムを集約。運用を開始するにあたり、日本郵船のグローバルビジネスを支える既存の会計(以下、SAP)/船舶動静/自動船管理などの各々のシステムと、VIPとのデータ連携基盤の開発準備を進めていた。
既存システムとの統合・連携をスムーズに実現するデータ連携ツールを検討する中、ノーコードでデータ連携基盤を開発可能なWarpに着目。100種類以上のサービスとの連携に対応するアダプターが、各種クラウドサービスや基幹システムとの連携に加え様々なデータの統合を実現することや、データ加工にも対応できることから、採用を決定したという。
これにより、既存システムとVIPとのデータ連携基盤を、新入社員を含めた4名のチームがノーコードで開発。データのマッピング、デバッグ機能、開発エンジニアが集うアステリアのユーザーコミュニティ「AUG」などの活用により、プログラミングスキルを用いずにデータ連携基盤を構築できたとしている。
また、VIPのCO2排出量計測データとSAPの燃料や貨物内容などの会計データを連携・分析することで、個々の運送に関わるCO2排出量の算出も可能になったとのこと。現在までに、約1年の期間で約60の処理を担う連携基盤を開発するなど、同社での主流となるJavaのスクラッチ開発と比較すると、開発工数を約6分の1に削減しているという。
日本郵船は今後、社内の様々なシステムに蓄積されたデータを利活用していきながら、データドリブン経営の推進にも取り組んでいく方針だとしている。
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