2023年8月25日、Arrcus(アーカス)は事業戦略説明会を開催した。
アーカスは、2016年に米カリフォルニアで設立されたネットワークベンダー。エンタープライズ規模のデータセンターやクラウドベンダー、通信事業者をターゲット領域としている。同社 会長兼CEO シェイカー・アイヤー(Shekar Ayyar)氏は、「多様なニーズに対応できる、単一のネットワーク運用環境を提供できる点が強みであり、従来のネットワークベンダーと比較しても最大40%のTCO削減に寄与できている」と説明。すべての業界において「AI」「5G」「マルチクラウド」「エッジ」という4つのインフラストラクチャトレンドが見てとれるとして、事業概況について紹介を行った。
既存のCiscoやJupiterなどが提供するネットワーク機器はコストが高く、前述したトレンドに追随することが難しいと指摘。アーカスでは、サーバーやプロセッサ、ネットワークシリコンなどを自由に選択するのことできる「NetWorking 3.0」の世界観を実現したいとして、ネットワークとハードウェアの完全分離(ディスアグリゲーション)を目指しているという。「特にプロセッサとネットワークシリコンを選べることが重要だ」と話すと、それを実現できるからこそ金融や大規模通信事業者、コロケーションプロバイダなどを中心にした引き合いが多いとする。
アーカスでは、「The Arrcus Connected Edge(ACE)プラットフォーム」を提供しており、3つのレイヤーに分けて特色を理解できるという。ボトムレイヤーに「ArcOS」を配置し、ミドルレイヤーに「ArcEdge」、トップレイヤーに分析系の「ArcIQ」とオーケストレーションツールである「Arc Orchestrator」を位置づけられるとした。アイヤー氏は「ネットワーキング市場規模は約800億ドルと言われているが、Arrcusはそのすべてをカバーできる」と自信を見せる。
日本においては、ソフトバンクや日立ベンチャー、伊藤忠テクノソリューションズなど5社とエコシステムを構築しており、SIだけでなくディストリビューターとしての販売・サポート体制も拡充していくという。実際のユーザーネットワーク内においては、CiscoやJuniperなどと一緒に利用されることを前提としており、EANTCによる相互接続検証にも注力しているとした。また、「多くのハードウェアプロバイダー、プロセッサーベンダーとも関係性を築けているため、供給においても柔軟に対応できる」とアイヤー氏。今後はパートナー企業ととも事業拡大を図っていくとして締めくくった。