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日本人たちは何を求めAWS re:Inventへ──現地取材で見えた、そこでしか得られない体験と教訓


 2023年11月27日~12月1日(米現地時間)の日程にて開催され、大盛況の後に終了したAWS re:Invent 2023。入場料2,099ドル(約30万円)にも関わらず、来場者数は5万人を超えたとされる。さらに、遠く日本からもラスベガスへの直行便がないにもかかわらず、乗り継ぎ便を使って片道13時間以上かけ、約1,700人近くが訪問したという。日本から参加するだけでも大きな労力と費用がかかる同イベントに、みな一体どのような思いや目的をもって参加したのか。そこで、現地会場入りした筆者が直接会場内を歩き回り、日本人参加者に向けてイベント参加への目的と、会場でしか得られない、そこから学びとったものについてインタビューした。

日本とはスケールが違う、開催会場

 恐らく多くの日本人はAWS re:Inventのことは知っていても、現地参加したことがない人が多数だと思われるので、まず簡単に本イベントの会場構成について説明しよう。筆者推測ではあるが、このイベントに初めて参加した日本人の多くは、「何これ……日本と規模が違い過ぎる……。米国のITとスケールのデカさ怖……(絶望)」と感じたのではないだろうか。恥ずかしながら筆者も今年が初参加となったが、そのスケールの大きさに驚愕した。

 まずメイン会場のホテルであるVenetian Las Vegasのカンファレンスセンター(総面積20,9030㎡)、これがとにかく巨大なのだ。数字では伝わり切らないので日本の施設でたとえるならば、カジノ付きリゾートホテルの同施設内にAWS Summit Tokyoの開催場所である幕張メッセ(施設敷地面積217,151㎡)レベルの面積を誇る展示会場と、350の会議室を有しているのだ。一つのホテルだけにもかかわらずである。

 さらに、本イベントの会場は同ホテルのみに留まらず、隣接ホテルであるWynn and Encoreや遠方にあるMandalay Bayホテルの会議場でもセッションが開催されており、それぞれのホテル間は無料シャトルバスでアクセス可能となっている。このように、ラスベガスの街全体でAWS re:Inventが開催されていることも大きな特徴だ。イベント全体で合計2,200近くのセッションがありながらもその数をこなせるのは、この規模あってこそであろう。

質問はシンプルに3つ

 今回の企画の趣旨としては冒頭述べた通り、大きなコストを払ってでも来場した日本人たちは何を目的にイベントに来たのか、それを地道にインタビューを通して解き明かしていくものだ。

 どのように調査を行ったかというと、泥臭く「Do you speak Japanese?」と筆者自ら日本人と思われる来場者に声をかけ、インタビューを実施した。今回、参加した日本人に行った質問内容は主に以下の3つだ。

  • AWS re:Invent参加は何回目か
  • 来た目的は?
  • イベントを見た上で、日本のIT環境に対して思うこと

 おおむね日本人に声はかけられたものの、時おり返って来る「No!」という言葉や「ラスベガスでキャッチに捕まるとは……」という暖かい言葉にメンタルを削られつつも、2日間で100人近くの日本人たちから話を聞くことができた。なおインタビューは来場者だけでなく出展企業の日本人にも実施しているが、プライバシーの事情から、ここではすべて匿名の形で掲載している。それでは、次ページより実際に取材した内容を紹介していこう。

※取材にご協力していただいた皆さんには、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

次のページ
上司に言われて嫌々参加したものの、今では感謝

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この記事の著者

西隅 秀人(ニシズミ ヒデト)

元EnterpriseZine編集部(2024年3月末退社)

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