アドビは、奈良県庁の雇用政策課が導入した給付金電子申請システムに、「Adobe Acrobat Sign」が採用されたことを発表した。
奈良県庁では、デジタル戦略課主導のもと、膨大な書類のやり取りといった従来の紙ベースの業務プロセスにおいて発生していた時間のかかる手続きや作業の効率化に向けた取り組みを行っている。コロナ禍における緊急経済対策の際には、中小企業への支援を提供するために給付金電子申請システムを試験的に導入するなど、デジタルでの将来的な運用を見据えた取り組みを行っていたという。
こうした取り組みが進む中で、奈良県庁では職員の高い業務負荷や紙書類を中心とした複雑な審査プロセスなどの課題を解決するため、雇用政策課においてAdobe Acrobat Signが連携した新たな給付金電子申請システムを導入。これにより、県内の中小企業は賃上げにともなう給付金申請をオンラインで行うことが可能になったとしている。
具体的には、申請者は申請書をPDFで入力してオンラインで送信することにより、書類をプリントアウトして郵送する手間が省けると同時に、四則演算機能を用いたリアルタイム申請により計算ミスを防ぐことができたとのこと。また審査側では、申請案件の進捗管理がシステム化されたことによる申請処理漏れの防止や進捗状況を直感的に把握することができたという。
電子署名を含む給付金支給までのワークフロー全体をデジタル化することで、行政サービスを向上すると同時に職員の作業効率を向上。同県によるシステムの構築および運用は、アドビのパートナー企業であるBlueshipが電子申請プラットフォームとして導入した「ServiceNow」にAdobe Acrobat SignをAPI連携させたことで実現できたとしている。
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