日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)はハンズと共同で、ハンズIT部門への問い合わせ業務へのChatGPTの適用に関する実証実験(PoC)を行い、属人化されたノウハウを80%の精度で再現するナレッジベースを構築したと発表した。
ハンズは、94ヵ所の事業所を有しており、IT部門はすべての店舗と本部のIT/ネットワークについて、障害対応、問い合わせ業務をはじめとする運用管理を担っている。特に問い合わせ対応に関する業務負荷は運用管理業務全体の30%に上っており、IT部門全体の生産性向上の課題の一つとなっていた。
そこでNSSOLは今回のPoCにおいて、ChatGPTを活用。問い合わせへの回答メールに散在したナレッジを集約し、80%の精度での回答を実現できるナレッジベースを構築した。ナレッジベース作成にあたっては、不要な情報除去や時系列整理・メタ情報の付与をはじめとしたChatGPTが学習しやすい形式となるように対応履歴のメールデータを加工することで、実際の解答精度を向上させているという。
今回のPoCにおいては、生成AIのコア部分の精度検証をアジャイル的に実施することで、短期間での実行を可能にしたとのこと。今後は、ChatGPTが自身の回答の正確性を判断し、不確かな回答の場合はIT部門の人間に連携していくといった、ChatGPTの活用を前提とした問い合わせ業務の高度化を推進していく予定としている。
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