IDC Japanは、2023年の国内ITサービス市場ベンダー売上ランキングを発表した。
2023年の国内ITサービス市場規模は6兆4608億円、前年比成長率は6.0%であった。ベンダー売上の上位6社は、1位から順に、富士通、NTTデータ、NEC、日立製作所、IBM、アクセンチュアであり、前年からベンダーの変動はない。前年4位であったNECは前年比売上額成長率12.1%と相対的に高い成長を遂げ、前年3位であった日立製作所の売上額をわずかに上回った結果、3位がNEC、4位が日立製作所となった。
サービスセグメント別に見ると、全セグメントで上位10社のベンダーがすべてプラス成長となった。中でもプロジェクトベース市場は、上位10社中6社の前年比売上額成長率が10%以上のプラス成長となった。マネージドサービス市場では、従来型ITアウトソーシングのマイナス影響が継続する一方、既存システムのクラウドマイグレーション/モダナイゼーションや、クラウドでの新規システム構築後のマネージドクラウドサービスの増加などが成長をけん引している。サポートサービスは、パッケージアプリケーションの導入拡大にともなうソフトウェア保守の拡大のほか、コロナ禍に生じた半導体/部材供給の遅延がほぼ解消し、ハードウェア機器販売が伸長したことによってハードウェア保守も拡大した。
産業分野別に見ると、通信/メディア向けで一部のベンダーがマイナス成長となったことを除き、その他の産業分野では上位10社すべてプラス成長であった。その中で、政府/公共では10社中7社が前年比売上額成長率10%を超え、突出した成長セグメントとなった。中央官庁向けおよびエネルギー分野で大型の既存システム刷新案件が活況だった。続いて、製造では上位10社中5社、流通では上位10社中4社が、前年比売上額成長率が10%を超えており成長セグメントとなっている。いずれも、SAP S4/HANAへのマイグレーションなど既存システムのマイグレーション/モダナイゼーション、デジタルイノベーション実装案件が成長ドライバーとなった。
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