SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

例題でわかる! 伝わるドキュメントの書き方トレーニング

意識のスコープを縮小せよ

読者に負担をかけない書き方を考える


プログラミングでは「スコープの広い変数、関数」はできるだけ使わないという原則がある。実は文章を書く場合もこの原則を同じように気をつけるべきなのだ。ある1行が別なn行と関係がある、というときに、そのn行は「極力近い位置に」そして「極力少なく」なるように文章を書くべきである。そのために役立つ「ゴール頭の原則」を知っておこう。

意識のスコープ

 日本語による説明文の品質向上を目的として、IT技術者が直面するさまざまな文書事例からその問題点と改善策を検討する本連載、第3回は「意識のスコープを縮小せよ」というテーマでお届けしよう。

 「スコープ」と言うとIT技術者の間では「プログラム言語における変数のスコープ」という概念がよく知られている。要するに、ある変数がソースコードのどこからどこまでの範囲から「見える」かを示すのがスコープである。この意味での「スコープ」はできるだけ狭いほうがよい(図1)。スコープが広すぎると、その分、思いがけないところに影響を及ぼしてしまう可能性が高くなり、プログラムの保守性が下がるわけだ。

図1 スコープは狭い方がいい
図1 スコープは狭い方がいい

 文書を書く場合も実はまったく同じことが言える。「スコープを狭くすること」を意識して書かれた文書は、読者がそれを解読しようとするときに、狭い範囲の情報だけ覚えておけばよいので楽なのだ。まずはよくない例として、以下の一文を考えてみよう。

例文1:必要に応じて設定ファイルsx.confを編集してからrestartsxコマンドを起動することにより、SXサービスを再起動することができます。

 短い文なので欠点が目立たないが、このような書き方はあまりよくない。なぜよくないのかを知るために、この文を前回説明した「ラベル付きステートメント構造」で書き直すと次のようになる。

【手順1】必要に応じて設定ファイルsx.confを編集します。

【手順2】restartsxコマンドを起動します。

【ゴール】SXサービスが再起動されます。

 「ゴール」のところは「目的」や「結果」「成果」と書いてもかまわないだろう。

次のページ
末尾のゴール

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
例題でわかる! 伝わるドキュメントの書き方トレーニング連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

開米 瑞浩(カイマイ ミズヒロ)

東京大学理科一類中退。IT技術者の業務経験を通して「読み解き、考え、説明する」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。小説家を目指したほどの文章力にもかかわらず図解を多用し「文章は図解の添え物」との主張が持論。図解力、思考力、プレゼンテーション等の講師として民間企業・官公庁での研修実...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/200 2007/12/06 15:46

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング