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「Copilot for Microsoft 365」を使いこなす

「Word Copilot」の使い方──プレゼン資料を4ステップで作成、サンプルファイルを交えて解説

「Copilot for Microsoft 365」:Word Copilot編

 MicrosoftからOpenAI社のGPTエンジンを用いた「Microsoft Copilot」が提供されると、ExcelやWordなどのOfficeアプリスイート「Microsoft 365」にも組み込まれることになりました。連載「『Copilot for Microsoft 365』を使いこなす」では、『神速Excel』(ダイヤモンド社)の著者である中田元樹氏が“使いこなし”のテクニックを伝授。第2回は、「Word Copilot」にフォーカスしてお届けします。

「Word Copilot」とは

 前回のCopilotチャット編では、Copilot for Microsoft Office 365の全体像と、Copilotチャットの概要、そしてCopilotチャットを使いこなすためのプロンプトの書き方をお伝えしました。

図1:Copilot for Microsoft Office 365の全体像(2024年8月16日時点)
図1:Copilot for Microsoft Office 365の全体像(2024年8月16日時点)
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 第2回では、Wordでの操作の一部をCopilotと会話しながら進めることができる「Word Copilot」を取り上げます。生成AIの導入を検討する際、「セキュリティに懸念があり、社内のセキュリティ基準に合致しないため、導入を見送る」というケースはよくあるのではないでしょうか。実は、Word Copilotでその懸念を払拭することができるのです。

 これは、Word Copilotが「OneDrive上にある社内の固有文書を直接読み取り、セキュアに利用できる」という特徴をもっているからです。今回は、そんなWord Copilotの概要をはじめ、Word Copilotでできること(機能概要)、具体的なユースケースをお伝えします。

Word Copilotでは何ができる?

 Word CopilotはWordに搭載されたCopilotで、Wordでの執筆を支援してくれます。Word Copilotでは、Copilotに指示を出すことができるチャット欄が2ヵ所に分かれていて、それぞれ役割が異なります。

  1. 文書作成Copilot:Word文書の新規作成・修正が可能
  2. 質疑応答Copilot:Word文書の記載に対する要約や質疑応答、改善点の提示が可能
図2:Word Copilotのチャット欄
図2:Word Copilotのチャット欄
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Word Copilotでできること(機能概要)

 それでは、「文書作成Copilot」「質疑応答Copilot」それぞれ何ができるのか。具体例を交えながら詳細に紹介しましょう。

文書作成Copilot

 文書作成Copilotでは、プロンプトやOneDrive上に保存されたファイルの内容を読み込むことで、文書を作成・修正することが可能です。OneDrive上のファイルを参照できるため、既存文書から使用したい情報を抜き出し、プロンプトに転記する手間も省くことができます

 たとえば、OneDrive上に保存されている「生成AIがオフィスワーカーに及ぼす変化」というファイル(PowerPoint資料など)があるとき、これをインプットすることで「生成AIの全体像とその影響」など、作成したいレポートの下書きを出力することが可能です。

 では、具体的な活用イメージを確認していきましょう。

 下図3では、プロンプトでレポートのタイトルと内容、参照ファイルを指定した上で「生成AIに関する詳細なレポートを作成してください」とお願いしてみました。すると、1分ほどでWord Copilotがレポートの下書きを作成してくれます。中身を見てみると、タイトルと内容は指定通りで、インプットに用いた資料を踏まえながらコンテンツを生成してくれています。この下書きを元に人間が仕上げるだけで、質の高いレポートが作成できるでしょう。

図3:「生成AIの全体像とその影響」レポートを出力してもらうプロンプトとその回答の一部
図3:「生成AIの全体像とその影響」レポートを出力してもらうプロンプトとその回答の一部
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質疑応答Copilot

 質疑応答Copilotでは、文書に対する要約や質疑応答、改善点の提示が可能です。ユースケースとしては、「自身が出席することができなかった議事録の要点を教えてもらう」「自身で作成したドキュメントを上司やお客様に見せる前に確認してもらい、改善点を教えてもらう」などが考えられます。

 まずは、1つ目の「自身が出席することができなかった議事録の要点を教えてもらう」の具体的な活用イメージを確認していきましょう。

 社内で協議をされた議事録は発言内容が羅列されているだけで、なかなか内容が頭に入ってこないのではないでしょうか。そこで下図4の通り、Word Copilotに「この議事録を要約してください」とお願いしたところ、フォーマットを用意してくれた上で、それに則って会議の要点をまとめてくれました。Word Copilotが出力してくれたフォーマットは、「決まったこと」や「ToDo」などが一目でわかるため、元の議事録よりもだいぶ理解しやすくなりました。このようにWord Copilotを使用することで、会議の要点を瞬時に把握することが容易になります。

図4:議事録の要約を出力してもらうプロンプトとその回答
図4:議事録の要約を出力してもらうプロンプトとその回答
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 次に2つ目の「自身で作成したドキュメントを上司やお客様に見せる前に確認してもらい、改善点を教えてもらう」の具体的な活用イメージを確認していきましょう。今回は、筆者が作成した「熱中症への注意喚起を行う子供向けポスター」に対する改善点を考えてもらいました。

 下図5の通り、プロンプトでWord Copilotに「ポスターの改善点を教えてください」とお願いすると、改善点を5つも考えてくれました。「メッセージは短く、わかりやすくしましょう」といった文言への改善点、「クイズやゲームをポスターに取り入れる」といった構造そのものへの改善点などを幅広い観点で提示してくれました。自分だけではなかなか思いつかない改善点を示してくれ、非常にためになります。このようにWord Copilotにドキュメントの改善点を考えてもらい、それを元に改善することで、上司やお客様からの指摘を最小限に留められるでしょう。

図5:「子供向け熱中症注意喚起ポスター」の改善点を出力してもらうプロンプトとその回答
図5:「子供向け熱中症注意喚起ポスター」の改善点を出力してもらうプロンプトとその回答
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 文書作成CopilotはOneDrive上のファイルを基にして、約1分で文書の下書きを行うことができ、質疑応答CopilotではWord文書に対して要約や質疑応答、改善点の提案などを行うことができるなど、どちらも生産性向上・品質向上に貢献してくれます。

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Word Copilotを使いこなすコツ

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この記事の著者

中田 元樹(ナカタ ゲンキ)

教育業界からコンサルタント転身後、データ分析を強みとし、さまざまなプロジェクトで活躍。2018年に独立。筆者が代表を務める株式会社DIK&Companyはビジネスパーソンのデータ/情報を扱う力を高める研修を提供。最近ではCopilotをはじめとした生成AI研修を多くの企業に導入しており、社員...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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