Clouderaは2026年4月22日、企業のAI活用における準備状況を測定した最新の調査結果「データレディネス・インデックス:成功するAI基盤を読み解く」の発表に関するオンライン記者会見を開催した。
会見冒頭、Cloudera RVP 兼 社長執行役員の山賀裕二氏は、現在のビジネス環境におけるAI活用は生成AIの「応答」から、自律的に業務を完遂する「AIエージェント」へとシフトしていると指摘。AIエージェントが経営意図を反映し、自律的に状況を判断して業務を実行するためには、社内のあらゆる分散データを収集・統合する能力が不可欠だと語った。
しかし、その実装を阻む本質的な問題として山賀氏が挙げたのが、「データの分断」「インフラの分断」「信頼の分断」という3つの障壁だ。オンプレミスやクラウド、エッジに分散したデータソース、環境ごとに異なる運用管理、そしてデータの出自不明にともなう規制対応への不安などが、企業のAIレディネス(AI Readiness)を阻害しているという。
「これらの分断は失敗ではなく、企業進化における必然的な事項だ」と山賀氏。SaaSの普及やM&A、デジタルチャネルの拡張といったビジネスの進化がデータの分散を生んだが、すべてのデータを1つの基盤に集約することはもはや非現実的であるとの見解を示した。その上で、これからの統合の定義を「一ヵ所に集めること(集約)」ではなく、「分散したまま一貫して扱えること」へと再定義する必要がある。
続いて登壇したCloudera CTOのセルジオ・ガゴ(Sergio Gago)氏は、2026年2月に米国、EMEA、APAC地域に所在する1,270名のITリーダーを対象に実施した調査のうち、日本企業の回答に焦点を当てた分析結果を発表。調査結果によると、日本企業の64%がクラウド支出の増加を予定しており、ITインフラのモダナイゼーションへの意欲は高い。
一方で、実態としてのデータ可視性やアクセスには大きな課題が残っている。自社の全データに「形式を問わずいつでもアクセスできている」と回答した日本企業のリーダーは43%、技術者向けに「セルフサービス型のデータアクセスを十分に提供できている」と答えたのは37%にとどまった。また、「ITインフラのパフォーマンス不足が時折業務施策を妨げている」と回答した割合は84%に達しており、基盤の脆弱性がAI活用の足かせとなっている現状が浮き彫りになった。
特に注目すべきは、データへの信頼と管理実態のギャップである。日本企業の89%が自社データに対して高い信頼を寄せている一方で、データが完全に統制されていると回答したのはわずか28%であった。ガゴ氏はこの結果を受け、「信頼は高いがガバナンスが追いついていない状況は、AIの大規模展開においてリスクとなる」と警告した。ただし、90%の企業が新たなガバナンスフレームワークの導入に意欲的であることから、今後の改善に向けたポテンシャルは大きいとしている。
これらの課題に対し、Clouderaが提示する解決策が「DATA Anywhere」「CLOUD Anywhere」「AI Anywhere」という3つの戦略だ。ガゴ氏は、データを物理的に移動させることなく横断参照できる「Unified Data Fabric」の重要性を説きながら、オンプレミスからパブリッククラウドまで、あらゆる環境で共通のガバナンスとセキュリティを適用する「Cloudera Anywhere Cloud」戦略をとると語った。
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