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生成AI時代の今こそ重要になるメインフレームのモダナイゼーションと3つのアプローチ

スキルギャップ問題を生成AIで解決

 メインフレームをモダナイズすることで時代に応じたシステム環境を手にしつつ、セキュリティ強化やデータ活用の促進など様々なメリットが得られると期待される。もちろん、取り組みにあたって課題がないわけでもない。

 中尾氏は、日本語特有の2バイト文字問題、バッチ処理対象の整理などを挙げる。「たとえばバッチ処理の中に、ミッションクリティカルなものとそうでないものが混在している状況があります。それらを仕分けした上で、重要ではないものを『Move off』するアプローチをとることが重要になります」(中尾氏)

 グーダ氏はグローバル共通の課題として、メインフレームのサイロ化が生む技術的な問題とスキルギャップを付け加えた。

 特にスキルについては、調査によると4分の1以上(28%)が「モダナイゼーションを進めるにあたって適切なスキルがない」と回答した。スキル不足が原因で、77%の組織が外部からの支援を受けているという。グーダ氏は「メインフレームのスキルだけでなく、AI、セキュリティなどのスキルを併せ持つ人材が必要とされています。また、他のシステムとの統合、DevOpsツールなど他のプラットフォームで使っているツールについても知識が求められます」と説明する。

 実は、このような課題を解決する動きとして強力な支援になるのが生成AIだ。グーダ氏は「生成AIを使って、メインフレームモダナイゼーションを加速させるという動きが顕著になっています」と話す。たとえば、メインフレームの言語であるCOBOLやPL/Iで書かれた古いコードの内容を生成AI自然言語で説明してもらったり、コードをJavaやC#に変換したりして開発を効率化するユースケースが増えているという。

豊富な人材による支援体制をもつキンドリル

 このように、メインフレームのモダナイゼーションについてはチャンスと課題がある中、長年の経験に基づく支援体制を敷いているのがキンドリルである。

 「キンドリルには約7,500人のメインフレームの専門家がおり、メインフレームサービスは我々の事業の3分の1を占めています。継続して投資を続けています」とグーダ氏。技術者として入社する社員はすべて入社後にメインフレームの研修を受けており、その後AIなどのスキルを身につけるという。

 「メインフレームは止まってはならないシステムで、キンドリルはその重要性を深く理解しています。目指すのはワークロードに最適なアプローチを取り、リスクの低いモダナイゼーションを支援することです」(グーダ氏)

 近年キンドリルは、既存のメインフレームユーザーの顧客向けには、AIや自動化によりIT運用を最適化する「Kyndryl Bridge」を通じて洞察を得ながら、その企業にとって最適なアプローチを探っていく。「同ソリューションはグローバルで既に1,300社のお客様に利用いただいています」とグーダ氏。新規顧客に対しては、コンサルテーションで既存の環境などの現状を整理してから進めていく。「いずれの方法でも、経験豊富なスタッフが伴走し、構築からその後の保守まで一気通貫でサービスを提供します」(グーダ氏)。

もはや“現状維持”の選択肢はない

 キンドリルによるメインフレームモダナイゼーションの具体的な支援例や活用している技術を紹介しよう。

 まず、「Modernize on」でメインフレームを使い続ける顧客に対しては、キンドリルのメインフレームクラウド環境として「zCloud」を用意している。「従量課金のマネージドサービスを利用し自社でメインフレームを維持するだけでなく、お客様のアプリケーション資産を我々の環境上に移していただくこともできます」と中尾氏は説明する。

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キンドリルジャパン プラクティス事業本部 コアエンタープライズ& zCloud事業部長 理事 中尾友謙氏

 「Integrate with」のアプローチでは、Microsoft Azure環境を接続しクラウドにある分析基盤を使って、メインフレーム上のデータを分析するといったプロジェクトも現在進めているという。

 「Move off」のアプローチでは、Amazon Web Services(AWS)への移行を行うことが多いという。キンドリルにはAWSが提供するメインフレームアプリケーションの自動リファクタリング「Blu Age」の資格者を多数擁しており、日本でも最高位のレベル3の認定保持者が複数存在している。

 「日本は重要なインフラの多くがメインフレームで動いており、キンドリルにとって重要な市場です。メインフレームを稼働させている全ての企業は、何らかの形でモダナイゼーションをする必要があり、もはや“現状維持”という選択肢はないと言えます」とグーダ氏は強調する。

 日本市場に向けて、最後に中尾氏はこう語る。

 「メインフレームのモダナイゼーションはもはや先進的な企業の取り組みではありません。キンドリルはIBM以外のメインフレームも扱うことができますし、クラウドのスキルと経験も蓄積しているため、ぜひ相談していただきたいと思います。社会を支える重要なインフラであるメインフレームのモダナイゼーションを通じて、日本企業の競争力アップに貢献したいと考えています」

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この記事の著者

ノーバジェット株式会社(ノーバジェットカブシキガイシャ)

2010年にIT系媒体出身者によって設立されたコンテンツ制作会社。 BtoB IT分野の記事コンテンツの取材・執筆・編集を得意領域とし、 さまざまなITベンダーや媒体社のコンテンツ制作を手掛ける。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:キンドリルジャパン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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