2024年10月23日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンは、福島銀行にて同年7月にAWSクラウドで稼働させた勘定系システムが、3ヵ月以上安定稼働を継続していると発表した。
同システムは、SBIホールディングスのグループ各社がフューチャーアーキテクトと連携し開発・構築・運用する、クラウドベースの地域金融機関向けのもの。福島銀行が日本国内で初めて採用し、稼働を開始したものだという。
導入時は、計画段階からAWSが伴走支援し、「Amazon Elastic Kubernetes Service」を活用しながら設計を進め、3年で全面稼働を開始。経営・社会環境や顧客ニーズの変化に合わせた新機能の追加・開発を、オンプレミスと比べて迅速かつ低コストで進められるとのことだ。また、同行は「AWS Countdown」を活用し、勘定系システムのAWS移行を実行。これにより、クラウド運用準備状況の評価を実施し、リスクを軽減しながら効率的に移行、安定稼働を実現しているという。
なお、同行の勘定系システムは「AWS金融リファレンスアーキテクチャ日本版」を利用し、AWS アジアパシフィック（東京）リージョンおよび（大阪）リージョンのマルチリージョン（以下、東阪リージョン）のアクティブ／スタンバイ構成で設計されているとのことだ。設計時は「Amazon Aurora Global Database」が活用され、AWSが伴走支援を行ったことで、高可用性のシステム設計が実現されているという。加えて、バックアップデータの目標復旧時点について、計画切り替えが0秒、災害時など予期せぬ切り替えも通常1秒以内というレジリエンシーを実現しているとのことだ。
また、災害対策の一環として同行は「AWS Fault Injection Service」（以下、AWS FIS）を活用し、東阪リージョン、マルチアベイラビリティゾーン（以下、AZ）において障害のシミュレーションを実施。耐障害性の検証として、ノード障害・AZ障害を通常障害の範囲と定義し1分で自動回復できること、リージョンの障害を最終防衛ラインと定義し1時間で切り替えが可能なことを確認したという。
加えて同行は、オペレーショナルレジリエンシーの取り組みとして、「AWS Incident Detection and Response」（以下、AWS IDR）を導入。AWS IDRは、インシデント管理エンジニアが重要なワークロードを24時間365日体制で監視し、インシデントを検知した後5分以内に顧客と電話会議を行い、障害の早期復旧を支援するものだという。日本国内の銀行では、初めての採用になるとのことだ。
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