2024年10月24日、NTTデータは、生成AI活用コンセプト「SmartAgent」に基づき、営業領域を対象にした生成AIサービス「LITRON Sales」を11月から提供開始すると発表した。
SmartAgentとは、利用者の指示に応じて、AIエージェントが自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行し、新たな労働力を提供する構想。これにより、NTTデータは人口減少による労働力不足など社会課題の解決に貢献するという。
SmartAgent実現に際して、NTTデータグループでは、以下の技術を開発しているとのことだ。
- Task Planning:複数のタスクからなる業務の処理を自律的に分割、整理。ワークフローを自動生成
- Multi Agent:複数のAIエージェントを組み合わせて情報連携を実現。アウトプットの質を向上
- Advanced RAG:データの高度な解釈による検索を実現。データ解釈の性能を向上
- Agent Ops:業務ドキュメントから検証用データを生成し、各種手法の組み合わせを最適化・評価。適用から運用までをサポート
- UITL(User In The Loop):ユーザーのフィードバックをもとにエージェントのワークフローや出力を自律的に改善。継続的な改善サイクルを確立可能
また、LITRON Salesは、営業領域における各種業務を自律的に支援・代行するサービスだという。パーソナルエージェントが、特化エージェントにタスクを割り振ることで、データ入力、アポイントメント準備、提案書作成、契約書・社内文書作成などのタスクを支援・代行。同サービスを活用することで、営業担当者の負担となっている事務処理、資料作成、日程調整などの業務負荷を低減するとしている。
同サービスは段階的な機能提供を予定しており、第1弾として、データ入力・活用機能の提供を開始するという。同機能は議事録情報(テキスト・音声)から営業プロセスで必要なBANTCなどの重要情報を生成AIで抽出し、営業支援システムに登録されている商談情報を自動で更新するもの。情報に不足がある場合には、次回入手すべき情報としてレコメンドするとのことだ。
第2弾としては、顧客経営課題分析から提案書作成までを実行するアポ・提案準備機能を2025年3月末までに提供する予定。提案先企業名とあわせて提案書の作成をパーソナルエージェントに指示すると、外部情報(IR情報、ニュースなど)や営業活動で得られた情報・議事録を検索し、顧客課題を抽出するという。その顧客課題に対し、自社の提供可能なサービスなどの情報も、自律的に検索しながら提案資料を作成するとのことだ。
NTTデータは今後、生成AI関連事業で2027年までに累計1000億円の売上高を目指すとしている。