ソリトンシステムズ(以下、ソリトン)は、同社が提供する映像伝送システム「Zao SDK」が、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「スマートインフラマネジメントシステム構築」のサブ課題A「革新的な建設生産プロセスの構築」において、共同研究開発機関の大成建設が行う実証実験に採用され、街中からダム現場までの超遠隔操縦に成功したと発表した。
同実証実験の目的は、「ダム堆砂処理を麓の市街地から遠隔操縦にて実施すること」に必要な要素技術の確認実験。西尾レントオールの遠隔操縦式油圧ショベルにソリトンのZao SDKを搭載し、福岡県朝倉市の寺内ダムと千葉県市原市の高滝ダムの2ヵ所にて実施された。
従来の建設機械の遠隔操縦は、特定小電力無線などを使用した数百メートルの遠隔操縦が一般的で、より離れた場所からの遠隔操縦を実現するためにはキャリアLTE回線を使用することになるが、現場の電波状況が不安定などの問題点があったという。
Zao SDKは、キャリアLTE回線を用いた映像伝送および制御信号伝送を実現するソリューションであり、マルチリンクと呼ばれるソリトン独自の技術を有している。そのため、複数のキャリアLTE回線を同時に使用することにより通信を安定化できるという。
同実験により、Zao SDKを使用する新たな可能性が認識され、ユニークな応用が実現することが期待されるとのこと。より通信品質の差が大きいと考えられる山間部においても、国交省の「i-Construction 2.0」が掲げる生産性向上に大いに寄与するものだと思われるとソリトンはコメントを寄せている。
【関連記事】
・欧州エネルギー大手スナム、ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCE」で資源管理のデジタル化を推進
・エネルギー業界のサイバー攻撃被害、45%はサードパーティに起因──SecurityScorecard
・日立、顧客の工場・建設現場での安全管理業務を生成AIソリューションで支援へ リスクアセスメントを高度化