UiPathは、IDCの最新InfoBrief「エージェンティックオートメーション:シームレスなオーケストレーションの実現によるモダンな企業への進化」を発表した。
同報告書によると、国内大手企業の約40%が既にAIエージェントを導入しており、52%が今後12ヵ月以内に使用予定であることが明らかになったという。さらに同報告書では、AIエージェントの導入が加速していることを示しており、企業がAIの実験段階から大規模な実装へと移行する動きが広がる中、2025年を日本におけるAI統合の転換点となる年として位置づけているとのことだ。
日本におけるAI成長の促進要因
AIの大規模な実装への移行は、顧客エクスペリエンスの向上、ビジネスオペレーションの効率向上、組織的リスク管理の改善といった企業のニーズによって加速しているという。日本企業もエージェンティックAIがもたらす具体的なメリットを実感しており、67%が「生産性の向上を支援している」と回答し、64%が「より複雑なタスクの処理に役立っている」としている。
世界第3位の経済大国である日本は、AIの開発と導入において重要な役割を担っているという。特に、製造業、小売・卸売業、通信・メディア・エンターテインメント業界が、日本においてエージェンティックAIの導入が進んでいる主要業種として挙げられるとしている。また、日本企業は、2025年に最も有望なエージェンティックAIのユースケースとして、「生産性の向上」(67%)、「顧客サポートの自動化」(66%)、「サプライチェーンの最適化」(47%)を挙げているとした。
AI導入の複雑さへの対応
日本ではAIの取り組みに対して多様なアプローチが採用されているものの、広範な導入に向けてはいくつかの課題が残されているという。特に、AIガバナンスおよびリスク管理(22%)、データガバナンスの要件(20%)、そしてITインフラの複雑性(20%)が、日本におけるAI技術の成長を妨げる主要な課題として挙げられているとのことだ。
特にエージェンティックAIに関して、日本企業は、自律的な行動によるセキュリティ上の脆弱性(56%)、データプライバシーの侵害(54%)、および悪意のある行為者による悪用の可能性(44%)が、ビジネスリスクにつながることを懸念しているという。導入の面では、データセキュリティの懸念(67%)、スキルを持つ社内のIT人材不足(51%)、既存システムとの統合(50%)が、主要な課題として挙げられるとしている。
エージェンティックオートメーションが企業のAI導入を後押し
このように課題はあるものの、日本におけるエージェンティックAIの導入は加速し続けていると同社は述べる。実際、約3分の2の企業(66%)が、まだ大規模な投資には至っていないものの、エージェンティックAIのユースケースの開発に積極的に取り組んでいるという。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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