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NVIDIA ジェンスン・ファンCEO、「AI Summit」でソフトバンクとの協業と日本のロボティクスへの期待語る

日本のAI基盤強化に向けたソフトバンクとの戦略的パートナーシップ

NVIDIA ジェンスン・ファンCEO

 11月12,13日に開催された「AI Summit 2024」でジェンスン・ファンCEOは、ソフトバンクがNVIDIA Blackwellプラットフォームを採用し、日本最強のAIスーパーコンピューターを構築することを発表した。さらにソフトバンクが次期スーパーコンピューターにNVIDIA Grace Blackwellを導入する計画も立てたことも公開した。

 「ソフトバンクがNVIDIAのフルスタックAI、オムニバース、5G AI-RANプラットフォームに多大な投資を行うことで、日本は世界的なリーダーとなり、通信、輸送、ロボティクス、ヘルスケアの産業全体で新たな成長の時代を描くことになる」とファン氏は語った。

 強調されたのは、ソフトバンクがアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォームを活用し、世界初となるAIと5Gを組み合わせた通信ネットワーク試験の運用に成功したことだ。ファンCEOは「NVIDIA AI Aerialというライブラリを開発し、CUDAを5G通信に用いその上でAIも実行できる。これをAI無線アクセスネットワーク (AI-RAN)と呼んでいる」と説明した。

日本ロボティクス産業におけるAIの可能性

 ファンCEOは、AI Summitの会場で記者会見を行い、自身の経営の考え方、ソフトバンクとの協業、日本のロボティクス産業の将来性などについて語った。「世界には1200万の工場があり、ロボット向けに設計されているのは数百だけだ。他の工場や倉庫は人間に作られている。高齢者の在宅介護や、病院での医師の支援など、あらゆる場面でヒューマノイドロボットが唯一の解決策となる」と話し、そこに日本の産業の可能性があることを指摘する。

 「日本は自動車、ロボット、重工業を製造する世界有数のメカトロメカニクス大国だ。今必要なのは、機械にAIを組み込むことだ」とファンCEOは、5年以内に優れたヒューマノイドロボットが実現することを予測した。さらに、「世界は年間1億台の自動車を生産しているが、ヒューマノイドロボットは数十億台規模になる」との見方を示した。

エネルギー効率とAIの未来

 AIのエネルギー消費に関する質問に対して、ファン氏は独自の視点を示した。「AIの訓練にはコンピュータが大きく必要だが、それが目的ではない」と説明。たとえば天気予報を挙げ、「現在は世界中のスーパーコンピューターが天気予報のシミュレーションに使用されているが、AIによる予測方法を使えば、エネルギー消費を1万分の1に削減できる」と具体例を示した。AIは電力の消費を伴う一方で、世界中の無駄な電力消費を抑制することにもつながることを示唆した。

孫正義氏への期待と日本のリーダーシップ

 今回のソフトバンクとの協業に関連してファン氏は、同グループ会長兼社長の孫正義氏についての印象を語った。「PC時代のビル・ゲイツ、インターネット時代のジェリー・ヤン、モバイルインターネット時代のスティーブ・ジョブズ、そして最新のAIではわれわれNVIDIAと、孫さんは5回連続で正しい判断をしている。これだけの回数の正しい意思決定をする人でもほとんどいない」と高く評価しました。

 また、日本のAIとロボティクスの未来について、「日本はこれまでソフトウェア産業の時代は日本では十分な展開ができなかったかもしれないが、AIは今が"Day Zero"だ。日本はメカトロニクスと製造業という未来に必要な技術の半分を持っている。ここをAIで書き直すことができれば、新しい産業革命、製造業の再創造が実現する」と力強く展望を語った。

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

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