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実は国内重工業の大半がユーザー、IFSが目指す日本でのさらなる躍進──グループCOOが語る強さの秘密

 スウェーデン発のグローバルソフトウェア企業IFS。クラウドベースのERP、EAM(エンタープライズ資産管理)、FSM(フィールドサービス管理)などを提供している。製造、公共・エネルギー、航空宇宙・防衛という特定の産業に特化した支援を強みに掲げており、日本でも、重工業のユーザーを中心に大きなシェアを有する。日本市場を「世界三大戦略的成長領域の一つ」と位置付ける同社の経営幹部陣が、2025年2月に来日した。グループ最高執行責任者(COO)のマイケル・オイッシ氏が、IFSの優位性と独自性、そして日本市場に向けたメッセージを語る。

日本は重要な市場“TOP3”の一つ、SUBARUなどで導入進む

 IFSでグループCOOを務めるマイケル・オイッシ氏。同社にとって日本市場は、「最も重要だと位置付ける3地域の市場のうちの1つ」だという。CEOを含めた経営幹部も定期的に来日し、顧客やパートナーとの対話を重ねている。

 現在、IFSの戦略は3つの柱で構成されている。1つ目は「製造、公共・エネルギー、航空宇宙・防衛」という特定の主要産業に絞って焦点を当てること。2つ目は、AIにおけるリーダーシップを含め、提供するすべての技術分野でマーケットリーダーであること。そして3つ目は、顧客とパートナーエコシステムの成功に強くこだわることだ。

 オイッシ氏は日本の課題について、「他の市場と同様に、労働力の高齢化問題がある。それによって発生するスキルギャップに対応するため、より迅速に人材とスキルを確保する必要性が高まっている」と話す。こうした事象に対する危機感が、DXの推進と加速を後押ししている側面もあるだろう。日本でもワークフローやプロセスを自動化し、作業負担を軽減するためのAI活用が着々と進んでおり、これはIFSのポートフォリオにとって理想的な状況だと語った。

 日本市場でのさらなる事業強化に向け、オイッシ氏は3つの重要な取り組みを紹介した。1つ目は、「日本の顧客と企業が持つ独自のニーズを理解し、マーケットに適したソリューションを提供すること」で、そのための製品開発には投資を惜しまないとオイッシ氏。2つ目は、「顧客により良いサービスを提供するため、日本および技術パートナーを含むエコシステムへの投資を行うこと」だという。そして3つ目は、「IFS日本チームへの投資による人材の育成・拡大」だとした。

 既に日本でも、SUBARUやKOBELCO(神戸製鋼所)をはじめとする製造業を筆頭に、多くのエンタープライズ企業がIFSのプラットフォームを導入している。また海外を見渡せば、米海軍やNATO加盟国のいくつかをはじめとする軍事組織、政府機関、防衛・航空宇宙などミッションクリティカルな産業で確固たる地位を確立している。EAM(エンタープライズ資産管理)やFSM(フィールドサービス管理)の分野では世界的な主要プロバイダーの一角だといえるだろう。

 また、このタイミングでアジア太平洋・日本(そのほか中東・アフリカ)を統括するプレジデントが交代し、ハンネス・リーベ氏が新たに就任した。今回、同氏もオイッシ氏とともに来日しており、日本市場での顧客との対話に臨んでいる。

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重工業分野では大多数の日本企業がIFSを利用中

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

2022年よりBiz/Zineで取材編集や執筆を担当。2024年4月、EnterpriseZine編集部に加入。サイバーセキュリティ、データ・テクノロジーに携わる方、テクノロジーによる変革を牽引するCIOやCDO、CISOに向けた情報を発信します。

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