2026年5月20日、Broadcomは「VMware Cloud Foundation 9.1」に関する発表会を開催した。
VMware Cloud Foundation 9.1(VCF 9.1)は、米現地時間2026年5月5日に発表されている。VCF 9.0の発表から約1年が経過する状況下、ヴイエムウェア 山内光氏は「IT人材不足、とりわけインフラエンジニアが不足し、地政学リスクなども高まっている。あらためてITインフラの再定義が必要だ」と昨年の発表に言及。既に日本気象協会や日本中央競馬会においてVCFが導入され、大きな成果を上げていると強調した。
日本気象協会では、パブリッククラウドと比較して最大50%のコスト削減を達成したほか、ストレージのパフォーマンス(IOPS)が2倍向上し、データ復旧間隔を1週間から数時間へと短縮。また、日本中央競馬会では2,000台の仮想マシンを移行完了し、VCF Networking(NSX)とvDefendを統合したマイクロセグメンテーションによる防御を実装している。

山内氏は「多岐にわたる業種で理解され、VCFが利用されている」と述べ、パブリッククラウド比で最大50%のコスト削減、大規模環境での迅速な移行など、導入成果を強調した
また、発表会にはBroadcom ポール・ターナー氏がオンラインで登壇すると、エンタープライズ企業の56.1%がAIワークロードの展開先としてプライベートクラウドを優先したいという調査結果を共有。VCF 9.1について、ターナー氏は「AI利用の費用対効果に優れ、安全なプラットフォームとして最適化されている。AIの利用コストは決して安くなく、われわれは仮想化技術で対応可能だ。アプリケーションを安全にデリバリできる」と話す。
たとえば、400台の仮想マシンをデプロイする際のリソース不足というシナリオにおいて、NVMeを用いたメモリ階層化によりサーバー総コストを最大40%低減できるなど、いくつかのアップデートを紹介した。

特にセキュリティおよびサイバーレジリエンスの機能追加として、オンプレミス環境における「隔離クリーンルームへの統合サイバーリカバリ」が発表された。エアギャップによって分離・隔離されたクリーンルーム環境へ復旧を行う際、AI/MLを用いてリカバリポイント内のマルウェアを検出できるとする(オプションでCrowdStrike EDRを使用した追加検証も可能)。

ヴイエムウェア 塩崎崇氏は、「いかにお客様の運用負荷を下げ、手間をかけないか。手動によるパッチ適用のミスはもちろん、GitOpsやセルフポータルによるアプリケーションチームの工数も低減する。また、基盤部分の自動アップデート、マイクロセグメンテーションやリカバリ技術による防御・復旧までの一連プロセスを機能に組み込んでいる。特にVCF 9.1では復旧自動化に注力した」と説明。自動ワークフローにより目標復旧時間(RTO)が向上し、プライベート環境下においてAIワークロードの基盤となるコンテナ環境を含めて安全に載せられるようになったと強調した。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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