三井住友フィナンシャルグループ(以下、三井住友FG)、富士通、ソフトバンクの3社は5月19日、持続可能な医療の実現に向けた健康・医療分野での業務提携に関する基本合意書を締結した。
同日に開催された共同記者会見では、3社のCEOが登壇し概要を説明した。三井住友フィナンシャルグループ 執行役社長 グループCEO 中島達氏は、今回の提携に至った背景として、団塊ジュニア世代の高齢化に起因する2040年問題を挙げる。生産年齢人口が減少しつづける中、2040年には国民医療費が現在の50兆円規模から最大80兆円規模に増加すると予測されていることに言及し、これを打破するには「シニアを含む全世代の健康と活躍が欠かせない」と述べた。
この実現に向け、3社は国産ヘルスケア基盤を整備することで、医療現場の効率化、医療従事者の負担軽減などに寄与するとしている。
今回の協業において、ソフトバンクはユーザーアプリの構築、富士通はデータプラットフォームの構築を担う。対する三井住友FGは、2026年3月にソフトバンクと提携して提供開始しているオンライン医療サービス「Oliveヘルスケア」をさらに進化させるとともに、金融サービスとの連携・融合も進め、お金と健康の両面から安心感を提供していくとのことだ。
続いて、富士通 代表取締役社長 CEO 時田隆仁氏が登壇。同社が提供するCPU「FUJITSU-MONAKA」や業務特化型LLM「Takane」といったテクノロジーや、電子カルテ「HOPE」シリーズなどの医療分野の実績をベースに、国産ヘルスケア基盤の構築に貢献することを強調した。
国産ヘルスケア基盤の構築において同社は、様々な医療データの安心・安全な流通を可能にするデータプラットフォームの構築を担う。これにより、医療機関のデータ利活用を促進し、新たな医療サービスの開発や運用を支援していくと時田氏。「医療分野において『データ主権』『個別化医療』『産業革新』の3つを促進することで、個人起点の医療へパラダイムシフトを起こす」と意気込みを語った。
最後に、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一氏が登壇。同社が構築を担うユーザーアプリについて「食事内容や睡眠時間などの健康データ、医療機関での処方履歴などの医療データなどをかけあわせ、ユーザーにあった病院の候補を提示し、アプリ上で病院を予約、診療、決済まで完了できる」ものだと説明した。将来的には、4,000院・6000万人ユーザーへ提供することを目指すとしている。
同取り組みによって、診療情報の共有、処方情報の連携、予防・健康支援を進め、最終的には5兆円規模の医療費抑制を目指すという。宮川氏は「我々3社だけですべての課題が解決できるとは思っていない。我々はこの領域に一石を投じるつもりで連携を始める。3社に限らず、あらゆる領域の企業や自治体、政府とも提携し、日本の未来をつくっていきたい」として、今後より協業を拡大していく見通しを示した。
なお、3社は協業体制を同年10月より本格的に始動し、事業を開始する予定だとしている。
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