前回は、欧州サイバーレジリエンス法(CRA)対応で押さえておかねばならない2つのデッドライン「2026年:報告義務」と「2027年:適合義務」で必要となる実務タスクを解説しました。今回は、そうした対応実務を立ち往生させず、確実に前に進めるために有効な「組織体制」の整備について、必要な施策とその方法を現場のアクションプランに落とし込んで解説します。
CRAは「セキュリティ版 ISO 9001」である
欧州サイバーレジリエンス法(CRA)への対応を迫られている日本の製造業の皆さまにとって、今の最大の悩みは「要求事項の多さとその抽象度」ではないでしょうか。「何をすればよいかは分かったが、どうすれば『合格』といえるのかが見えない」という声が、開発現場や品質保証部門から聞こえてきます。
CRAの全体像を捉えるヒントは、実は皆さまが長年親しんできた「品質管理システム(ISO 9001)」にあります。
CRAが求めるのは、いわば「製品セキュリティ品質」の保証です。設計から出荷、そして廃棄に至るまで、セキュリティを「特別な付け足し」ではなく「当たり前の品質」として管理する仕組みを求めているのです。まずは、製造者が負うべき義務の全体像を、実務者の視点で再整理してみましょう。次の表は、組織的対応と技術的対応の側面でCRAが求めるセキュリティ要件を、それぞれ製品の出荷前・出荷後のフェーズで整理したものになります。
| 区分 | 製品出荷前 | 製品出荷後 |
|---|---|---|
| 組織 |
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| 技術 |
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これらの膨大な要件を前に立ち往生しないために、本稿では実務を前進させるための「5つの鍵」を、現場のアクションプランに落とし込んで解説します。
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伊藤 公祐(イトウ コウスケ)
GMOサイバーセキュリティbyイエラエ株式会社 グローバル戦略本部 執行役員組込みセキュリティ、製品(IoT)セキュリティのガバナンスに2006年より従事。大手電子機器メーカーの製品セキュリティインシデント対応チーム(PSIRT)を立ち上げ、リーダーとして全社の製品セキュリティポリシーや製品セキュリ...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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