その投資に価値はあるのか?──テクノロジー投資からビジネス価値を創出する米国発の方法論に熱視線
日本企業を悩ませてきたテクノロジー投資の費用対効果、可視化に向けた最善のアプローチとは
日本でTBM実践の輪が拡大中、IBM Apptioもより強力なソリューションに
日本でも、すでに多くの企業がIBM ApptioによるTBMの実践によって、ITコスト管理やテクノロジー投資最適化にまつわる課題を解決している。たとえばある大手製造業では、IBM Apptioを活用してテクノロジー投資のポートフォリオを可視化。これにより、それまでブラックボックス化していたITコスト構造を明らかにできた。すると、経営陣やIT部門、ビジネス部門が、テクノロジー投資について互いに共通言語を用いたコミュニケーションが可能となり、戦略的なテクノロジー投資の意思決定プロセスを確立している。
また別の事例では、クラウド移行を推進中の金融機関がFinOpsに必要な機能などをカバーする「IBM Cloudability」を活用し、分散化・変動化するクラウドコストの一元管理を実現した。従来の“静的なコスト管理”から“動的な最適化”へと移行することで、無駄なクラウドコストを削減しつつ、必要な領域への投資を増強するという柔軟な運用が可能になったとのことだ。

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2023年6月にIBMがApptioを買収したことで、その製品・サービスはIBMの製品ポートフォリオの一部として提供されている。なおIBMは、近年様々な技術分野で有力なプロバイダーを買収しており、それらの製品を連携したソリューションの開発を着々と進めている。IT戦略の策定から運用、さらにはテクノロジーひとつひとつに至るまで、ライフサイクル全体を支援するためだ。
「IBMでは、テクノロジーのライフサイクルを『Invest』『Build』『Deploy』『Manage』の4段階で定義し、このライフサイクル全体を自動化・高度化するソリューション群の拡充を進めています。IBM ApptioをはじめとしたApptioのソリューション群は、最上流のInvest、つまり“投資判断”を担うための重要なツールとして位置付けられています。今後は、他のフェーズを支えるソリューションとの機能面での連携や統合をさらに強化していく考えです」(塩塚氏)

ソリューション間の連携が完全に実現すれば、近い将来、投資判断からシステムの開発・運用に至るまで、すべてのフェーズにまたがったコスト最適化が可能になるだろう。そうなれば、IBM Apptioは企業の事業成長により貢献できる存在となる。
テクノロジーの活用は、今やどの業界においても「経営戦略そのもの」になりつつある。そのため、CIOやIT部門の役割はますます重要になっているが、それだけでは真に価値を生むIT戦略の遂行は不可能だ。CEOやCFOをはじめ、経営全体がテクノロジー投資を自分ごととして捉え、その意思決定にコミットしていかなければならない。
TBMやIBM Apptioは、そのための有効な手立てとなる。最後に塩塚氏は、以下のようにメッセージを述べた。
「今や、テクノロジーをいかに活用するかが企業の競争力を左右することは皆さんもご存じでしょう。IBM Apptioはそんな時代に、戦略的なテクノロジー投資の“意思決定能力”をお客様に実装します。そして実践を繰り返していくうちに、その意思決定プロセスが組織の中で確立され、カルチャーとして浸透していくことでしょう。ぜひ我々を、ビジネスの価値を最大化するパートナーとして頼っていただきたいです。また、すでにIBM Apptioを導入いただいている企業とともにTBMを実践し、日本中の組織が新たな時代に適応するための輪を広げていけたらと切に願っています」(塩塚氏)
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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