IPA デジタル基盤センター(以下、DISC)と、産総研量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(以下、G-QuAT)は、量子コンピューティング技術の産業化を担う人材の育成、およびこれによる量子技術の産業化の推進に向け、4月17日に連携協定を締結した。

左:産総研量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター センター長 益一哉氏
右:IPA 理事長 齊藤裕氏
G-QuATは、政府の量子戦略に基づいて設立された組織。量子計算資源の集積を進め、量子技術の研究開発、ビジネス開発、人材育成などを通じて、量子技術の産業創出を目指しているという。
DISCは、社会・産業システムのDXとエンジニアリングの革新をミッションとし、「未踏事業」を通じて突出したIT人材の発掘・育成を推進。未踏事業には目的や対象年齢が異なる3つの事業があり、そのうちの1つ「未踏ターゲット事業」では、次世代IT(量子コンピューティング・リザバーコンピューティング)を活用し、先進分野の人材を育成しているという。
両者が連携することで、日本における量子産業人材の育成と確保が期待されるとのことだ。未踏事業の実施者および修了生(以下、未踏人材)にはG-QuATの量子計算資源が提供されるほか、G-QuATに集まる企業などとの連携、技術および研究成果の事業化に対する支援が受けられるとしている。一方、G-QuATは量子計算資源の利用を通じて、未踏人材からハードウェア上の課題に対してフィードバックを得ることで、量子計算資源の次世代機の開発や新たなユースケースの創出を加速するという。将来的には、量子技術に関する研究開発投資やスタートアップ創出の促進が期待されるとのことだ。
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