保守切れ問題とバージョン管理の課題

──そして、ECC6.0の保守切れの問題が出てきました。各企業は選択に立たされています。課題は何でしょうか?
広木:ECC6.0の保守切れももちろんありますが、実は初期のS/4HANAもバージョンによっては、もう保守切れに来ています。2023年以前にリリースされたS/4HANAは保守期間が5年です。2023年から7年保守に変わったのですが、その前は5年保守なので、例えば2021年リリースされたS/4HANA2021などはまもなく保守が切れそうだという話が出てきます。
2020年以前の古いS/4HANAを入れているお客様は多くはありませんが、そろそろアップグレードしたいという声があります。特に今2023からは7年保守になりますし、もうすぐ2025が出てくるので、そのタイミングで新しいバージョンに置き換えたいという話をいただきます。
──バージョン管理も複雑ですね。
広木:新規導入にしろ、コンバージョンにしろ、どのバージョンを導入するのか?を決めるのも重要です。
出たばかりのバージョンがちょっと不安定じゃないか、と不安に思うお客様もいらっしゃいますが、一方でプロジェクト途中でバージョンアップするとプロジェクト期間も伸びコストもかかることになります。ただし以前は毎年新バージョンが出ていたのが、2023から2年に1回になったので、少し考える余裕というか、ライフサイクルを考える時間ができました。
大体プロジェクトを実施している途中で、1年に1回だと次のバージョンが出てしまいます。コンバージョンでも大体1年は、新規導入だと更に時間がかかります。スマホだったら切り替えたらすぐ使えるようになりますが、そこはユーザー様にSAPが寄り添って製品ライフサイクルを見直したと言えると思います。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...
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