EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は6月より、生成AIやAIエージェントなどの技術を活用し、業務改革、テクノロジーベンダーなどを融合させ、業務効率化と生産性向上を支援する「次世代型ハイパーオートメーション実現支援サービス」の提供を開始すると発表した。
日本でも、これまでRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI-OCR(AIを活用した文字認識技術)などを用いた業務効率化が進められてきたが、単一タスクや業務での部分最適にとどまり、業務の開始から完了まで一貫したEnd to Endプロセス改革による最適化の実現には課題が残されているという。
こうした状況に対応する手段として、「ハイパーオートメーション」に注目が集まっているとのことだ。これは、RPA、AI、生成AI、業務プロセスマネジメントなどの技術を統合し、業務全体の自動化と最適化を図るアプローチの総称である。また、近年はAIエージェント機能などを有機的に取り込むことで、その適用範囲と効果をさらに広げることが技術的に可能になりつつある。
今回、EYSCが提供する次世代型ハイパーオートメーション実現支援サービスは、変化するマーケットの状況を的確に理解し、業務改革、生成AIなどのテクノロジー、テクノロジーベンダー、委託先事業者を融合させ、End to Endの業務を抜本的に見直した最適な価値を提供するとのことだ。
加えて、ハイパーオートメーション導入を推進するための運用組織・人材の定義や、ガバナンス構築による運用の継続・高度化などといったソリューションを組み合わせ、企業のビジネス状況に最適化された変革を実現するとしている。
主なサービス
- 次世代型ハイパーオートメーション成熟度アセスメント支援:現状の自動化ソリューションの適用状況を棚卸し・評価し、改善点や追加適用できる業務・テクノロジーを特定
- ソーシングオプション検討支援:自動化できない業務および集約可能業務を特定し、SSCやBPOベンダーの強化、見直しと合わせて業務を効率化
- 次世代型ハイパーオートメーション・ビジネスプロセス策定支援:生成AIなど他ソリューションのユースケースを十分活用した上で、近代的なハイパーオートメーション・ビジネスプロセスをデザインし、ROIを算出
- 次世代型ハイパーオートメーション導入推進/運用組織・人材定義支援:導入推進/運用に係る組織のミッション、組織機能、タスク、必要スキルを策定し、内製化を目指した社内人材のスキルと育成計画を定義
- 次世代型ハイパーオートメーションガバナンス構築支援:安定的にユーザーが利用している上で必要なポリシー、ルールなどのガバナンスを定義
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次世代型ハイパーオートメーション導入支援
○ 導入ロードマップ、マスタープラン策定支援
○ 各種適用ソリューションに係る複数プロダクト評価、RFP策定、ベンダー選定支援
○ PoC/本番環境構築、推進支援
○ 各種適用ソリューションの設計、開発、実装、テスト、評価支援
○ 複数部門でデータを扱う場合のデータセキュリティ担保支援
適用可能な生成AIユースケース例
製薬・医療
- 患者モニタリングと予測:生体センサーからのデータと患者の電子カルテ情報を組み合わせて、患者の状態変化を予測
- 文書化支援:医療画像、治験、検査結果データ、レポートを任意の書式に展開
製造
- 予知保全:センサーデータとメンテナンス履歴を組み合わせて機器の故障を予測
- 品質管理の自動化:製造ラインで発生する事象のAI判定(故障理由)および、各種レポート自動生成
- リアルタイムの生産ライン監視:カメラ映像とセンサーデータを統合して生産ラインをリアルタイム監視
小売
- 需要予測:販売データと市場トレンドデータを組み合わせて需要を予測
金融
- 不正検出:トランザクションデータと顧客の行動データを組み合わせて不正行為を検出
- リスク管理:市場データと企業の財務データを組み合わせてリスクを評価
- 顧客サポート:音声データとテキストデータを組み合わせてコンタクトセンター顧客サポートを提供
テクノロジー/メディア/テレコム
- コンテンツ生成:テキストの指示に基づいて画像を生成
- 不正検知:業務に係るトランザクションデータと関連データを組み合わせて不正を検出
- アイデア支援:テキストの指示に基づいて説明資料、シナリオ生成、アイデア創出
- 設計開発DX支援:設計開発業務におけるAI(GenAI含む)による設計、開発の自動化ソリューションの提供
人材育成
- 教材作成:テキストと画像データを組み合わせて教育用の教材を生成
- 学習支援システム:学習者の進捗データと教材データを組み合わせてパーソナライズされた学習支援を提供
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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