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丸井グループが“昭和型”システム開発風土を変革した3年の歩み:経営層を変えたDX人材育成計画の作り方

DX推進のカギを握る3つの人材タイプとは

 5月29日、丸井グループのDX変革をテーマにした講演イベントがライフイズテック主催のもと開催された。同社 常務執行役員 CDOの相田昭一氏が登壇し、DX推進にあたって現場と経営をつなぐ育成・仕掛けの仕組みについて説明。その後、丸井グループ 人事部長の原田信也氏と、ライフイズテック 取締役副社長 COO/共同創業者の小森勇太氏も加わり、パネルディスカッションが展開された。実際に丸井グループの現場で生まれた挑戦の芽をどう育て、経営戦略と結びつけていったのか、育成・組織開発・DXを一体化させた取り組みの全体像と具体的な施策について語られた様子をレポートする。

役員から始めた「逆転の発想」、企業文化の“OS”を変える挑戦

 相田氏は講演の冒頭、当初丸井グループが抱えていた根本的な課題について言及した。「実は当社は、日本で最初にクレジットカードを発行した会社です。ミッションクリティカルな業務を担うこともあり、元々システムは先進的で、前向きな取り組みをしている事業グループではあるものの、いわゆる“昭和型”の企業でもありました」と話す。金融システムにおける膨大なデータ処理やウォーターフォール型の開発には長けていたものの、UI・UXの向上や仮説検証を重ねるアジャイル開発とは根本的に異なる世界が広がっていたのだ。

 この課題意識から生まれたのが、企業文化を“経営のOS”として捉え直す発想だった。相田氏は「古い企業文化を、新しいOSのようにアップデートしていくことで、利益もあげていきたいと考えています」と述べ、目指すべき企業文化として「強制ではなくて自主性を、やらされ感ではなくて楽しさを」という価値観の転換を掲げた。

 しかし、企業文化の変革という壮大な目標と現実の間には深いギャップが存在していた。そのギャップを埋めるのが、まさにデジタルの役割だと考えたと相田氏は話す。ただし、最大のボトルネックは人材だった。その現状認識が、後のDX施策を設計する上での出発点となる。

 たとえ一般社員や若手社員が「企業文化を変えていきたい」という強い意志をもっていても、経営を担う役員レベルが自分事として捉えられていなければDXのような変革は難しい。そこで、まずは役員の意識を変える施策を行ったという。丸井グループの代表取締役社長である青井浩氏の強いリーダーシップのもと、役員自らがノーコードツールを使ってアプリ開発に挑戦する研修を実施。DXに関する研修プログラムを提供するライフイズテックの若いメンターとともに実際にアプリを完成させる体験を通じて、「デジタルの力を活用して課題解決できそうだ」という手応えを役員層が共有することに成功したと相田氏は述べる。

株式会社丸井グループ 常務執行役員 CDO 相田昭一氏

新入社員が切り拓いた突破口──「アプリ甲子園」が生み出した化学反応

 役員研修を経て、この研修は新入社員から既存社員へと徐々に対象を拡大し、最終的には社内のアプリコンテストが開催されるまでに至った。「アプリ甲子園」と名付け、延べ365名が受講したこのDX研修は、単なるスキル習得にとどまらず、学んだ知識を実装に結びつける仕組みとして機能したと相田氏。作成するアプリの条件を「社内の業務改善を目的としたものでも、そもそも世の中の課題解決につながるようなものでも良い」と幅広く設定したことで、多様なアイデアが生まれる土壌が形成されたという。

 第1回のアプリ甲子園では新入社員チームが優勝を果たした。しかしその後、既存社員も巻き返し、第2回・第3回は既存社員のチームが優勝。優勝や優秀賞を獲得したチームには、実際に施策を実行できるよう支援体制を整備して提供したという。

 「会社の時間を使って施策に取り組んでもらい、予算を与えて、実際に具現化できるような体制を作っています。研修から実装まで一気通貫で支援する仕組みによって、単発のイベントではなく継続的な変革の基盤となることを目指しました」(相田氏)

 この取り組みの成果について、相田氏は「アプリ甲子園をきっかけに、社員のデジタルに対するハードルやアレルギーのようなものを減らせたと感じています」と評価する。また役員を対象としたDX研修によってトップレイヤーの意識が変わったことで、「これをデジタルでやってみてはどうか」「アプリを作ってみたらどうか」といった現場からの提案が受け入れられる風土に変わってきていることにも言及。トップダウンとボトムアップの相乗効果により、組織全体の風土変革が進み始めているという。

 では、実際に行われたDX研修はどのようにして設計されたのか。続くパネルディスカッションでは、相田氏に加え、丸井グループ人事部長の原田信也氏と、DX研修をともに作り上げたライフイズテック取締役副社長COO・共同創業者の小森勇太氏の3人が登壇し、当時丸井グループが抱えていた課題から、DX研修をどのように組み立てていったのか、研修の詳細を語った。

次のページ
DX組織に必要な変革のフレームワークとは? カギは3つの人材タイプ

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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