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AI活用の真髄──効果的なプロセスデザインとビジネス変革

「AI、結局使われない……」を打破! 日清食品やパーソルに学ぶ、社員を動かすチェンジマネジメント

AI先駆企業に共通する「組織変革」の手法とは

パーソル社内版GPTの社員利用実績は2万4000人以上、成功の鍵は「スキルレベルに応じたアプローチ」

 AIを活用するためのチェンジマネジメントにおいて、もう一つ重要な視点があります。それは、社員個人の生成AI活用スキルレベルに応じた様々な教育コンテンツでアプローチすることです。先述したように、AIの活用においては知見やスキルのギャップが生じやすく、強制力も弱いためにそのギャップは縮まるどころか拡大傾向にあります。だからこそ、社員一人ひとりのニーズに即したアプローチを模索することが得策なのです。

 では、具体的に何をすれば良いのか。次の事例をもとに考えてみましょう。

事例から学ぶ:パーソルホールディングス株式会社の場合

 パーソルホールディングス株式会社(以下、パーソル)では、国内グループ全社に生成AIを展開し、その社員利用実績は2万4000人以上(2025年5月時点)です。また、自分で知識データベースを作成してAIに組み込むことができる、ノーコードのAIエージェント開発機能も備えており、非エンジニア社員が自身の業務効率化に必要なAIエージェントを開発することもできるようになっています。

 同社は、先述したチェンジマネジメントのポイントを押さえると共に、社員のレベルや属性にあわせた“生成AI”学習メニューを展開していました。その一例が社内研修です。AIの活用にあたっては、「AIがどういうものなのかを知らない」という認知の壁、「AIの概要は知っているが使えない」という行動の壁、「使えるが、うまくは使えない」というスキルの壁が立ちはだかります。そこで、各自のリテラシーレベルにあわせて、ステップバイステップで進められる研修を用意したのです。

 また、社内コミュニティは4000人以上の社員が参加し、社員が開発したプロンプトが約700件(2025年3月時点)共有されています。「自分に近しいものほど興味を持つ」というヒトの習性を生かし、当人に近い職種や部署での活用事例がキャッチアップできたり、学びあったりできるようにしました。

 もちろん、このような一人ひとりに社員個人の生成AI活用スキルレベルに応じたアプローチをすることは、汎用的な研修よりも手間がかかります。しかし、AIとは何かを知らない社員に、AIの上級者向けの活用方法を紹介したり、営業社員に経理部門での活用事例を共有したりしても効果がでないことは容易に想像できるはず。パーソルでは、コストをかけてでもレベル別の生成AI学習メニューを作ることを選択し、それが大きな成果につながったと言えます。

AI活用の第一歩は「トップダウンの強化」

 ここまでチェンジマネジメントの視点から、AI活用を推進していくための全体的なステップを紹介しました。その中で、AI活用の担当者は、まず何に着手すべきか。私は「トップダウンの強化」だと考えています。

 AIのように「なんでもできて、なんにもできない」ツールを社内に浸透させるためには、トップダウンでの推進力が欠かせません。Web会議ツールなどのシステムは、用途がある程度限定されているのに対してAIは汎用性や自由度が高い分、何にどのように使うべきかを経営陣だけでなく、現場もイメージしにくいもの。つまり、経営陣はボトムアップで具体的なユースケースが出てくるのを待ち、現場はトップダウンで具体的に指示してもらえることを待つという、互いに“待ち”の状態になりやすいのです。

 だからこそ、担当者は経営層を後押しする必要があります。経営層の「AIを活用したい」という思いを具体的なビジョンや指示に落とし込むと同時に、経営層に目標に対する進捗を都度伝え、具体的な効果を感じてもらう。これにより、経営層の意思決定を加速させる──経営層におけるPDCAサイクルが高速に回れば、現場のAI活用も進みやすくなります。

 とはいえ、現場のAI活用を着実に進めるためには、現場に寄り添う視点も必要です。次回は、生成AIの活用にあたって現場と調整すべき事柄や、コミュニケーション方法について解説します。

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この記事の著者

小坂 駿人(コサカ ハヤト)

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ビジネストランスフォーメーション事業本部
データコンサルティンググループ 兼 ゼロ化コンサルティンググループ マネジャー2021年、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社に入社。前職ではHR業界における事業戦略/新規事業開発部門に所属。2022年には、...

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