日立製作所(以下、日立)は、インフラや産業現場で広く用いられる電子回路図や配管図、配電図などの図面を、生成AIが高精度に読み取れる学習技術を開発した。
同技術は、図面画像と接続関係テキストをペアで追加学習させる独自手法により、電子回路図の接続関係認識精度を従来比で約220%向上させることに成功したという。これにより、従来生成AIが苦手としていた複雑な機器間の接続関係も正確に認識でき、現場に眠る図面から現場ナレッジをデジタル化することが可能だとしている。
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加えて、抽出した現場ナレッジにAIを活用することで、過去の設計事例やトラブル対応履歴を迅速に参照できるようになり、熟練技術者のノウハウ継承や保守・設計業務の効率化など、多様な現場での活用が期待されるとのことだ。
今後、日立は同技術を「Lumada 3.0」の実現に向けた技術の一つとして強化し、現場ナレッジのデジタル化とAI活用を通じてインフラ・産業分野のDX推進を加速するという。特に、次世代AIエージェント「Frontline Coordinator - Naivy」によるフロントラインワーカーの作業効率やウェルビーイングの向上、熟練技術者のノウハウ継承など、現場の課題解決に貢献するソリューションとしての展開を目指すとしている。
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