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「匠の技」をAIが学ぶ時代 暗黙知のデジタル化と技術投資

 続いて、熟練技能者の暗黙知をいかにデジタル化するかという、製造業特有の課題について議論された。友岡氏は、「“事実をつかむ力”が極めて重要。従来は人間が担っていた事実把握の部分をIoTなどの機械がすべてモニタリングできれば、その役割を機械に委ねることができる」と話す。

 一方、データ収集の自動化が進む中で、人間に求められる能力も変化している。事実を把握した後に、今後どのような改善策を講じるべきか、そこから何が実現可能かを考える部分は、依然として人間が担うべき領域だ。

 その上で特に重要になるのは「質問する力」だと友岡氏は指摘する。

 「課題に直面した際の解決策として、生成AIに『このデータで何ができるか』といった質問を投げかけることが有効だ。しかし、事実をつかむ力、そこから適切な質問を生み出す力、さらにアイデアを創出する力のいずれも、現状では十分に強化されていない」(友岡氏)

 同様の問題について奥山氏も「営業やサービス部門では、顧客先で機械を修理する技術者がいるが、彼らが顧客とどのような交渉を行い、どのような情報に基づいて判断を下し、どのような修理を実施したのか。そうした記録はまったく残らない」と話す。

 この課題に対する解決策として、奥山氏は生成AIのマルチモーダル機能に着目しているという。「画像を記録しておけば、人間が言語化できない、あるいは言語化を避けがちな『匠の技術』やノウハウをAIが学習できるようになる」と期待を寄せた。

 セッション終盤では新技術の導入タイミング、今後のチャレンジについて議論が交わされた。

 小山氏は10年前(2015年)の状況を振り返り、「あと1~2年早く、クラウドの導入検討に着手すべきだった。2009年にクラウドが登場した際に導入していれば、5年の遅れを回避できた」とコメントする。当時は情報システム部門の負荷が大きく、クラウドは新規プロジェクトでのみ活用できる状況であり、既存システムは従来方式を維持せざるを得なかったという。

 友岡氏は技術導入を年代別に整理すると、「2000年代はインターネットを基盤としたビジネス設計、2010年代はクラウド、2020年代はAPIが重要な要素になった。APIによる連携が可能になったことで、初めて真の“生成AI”時代が到来した」と分析する。特にAPIの重要性については、「生成AIと基幹システムとの対話を仲介するのはAPIとなる。すべてのサービスがAPI経由で柔軟に連携する環境を整えることは、2030年までの課題と考えていたが、実際にはより早期の対応が必要だ」と話した。

 奥山氏は、今後挑戦したい課題について「農業は高度な専門性を要するが、ベテランの農業従事者のノウハウは従事者数の減少とともに失われる危険性がある。この継承課題に対し、IoTによる作業タイミングの記録や、農業従事者の動作を画像などの多様なデータから学習させ、農業全般を支援できるAIの開発を構想している」と語る。

 最後に小山氏は「CIO/CDOが経営メンバーとして参画することが重要。現在そうなっていない企業ならば、その立場に就くことを目指すべき」と提言。コミュニティ活用を提案した友岡氏は「ソラコムユーザー会への入会を」と呼びかけ、奥山氏は「皆さまと共に進歩していきたい。非競争領域では積極的に協力し、日本全体の発展に貢献したい」と共創を呼びかけた。

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森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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