Confluentは、Apache Flinkに対応したConfluent Cloudの新機能「Streaming Agents」の提供開始を発表した。
同機能により、リアルタイムデータを監視、推論、実行するAIエージェントの構築と拡張を容易にし、データ処理とAIワークフローを統合するとしている。LLM(大規模言語モデル)や組み込み型のモデル、ツール、その他のシステムといった、ビジネスに簡単で安全な接続を提供することで、エンタープライズグレードのエージェントAIへの移行の障壁を排除。エージェントAIの採用を加速し、より効率的なワークフロー、価値創出までの時間の短縮、新しいビジネスモデルと機会の創出を可能にすると述べている。
Streaming AgentsによるリアルタイムAIエージェントの構築と拡張
Streaming Agentsは、エージェントAIをストリーム処理のパイプラインに直接組み込み、チームがApache KafkaおよびApache Flinkを使用してイベント駆動型エージェントを構築、導入、調整することを支援するという。
データ処理とAI推論を統合することで、エージェントはリアルタイムのソースから最新のコンテキストデータにアクセスし、状況の変化に迅速に適応し、他のエージェントやシステムと通信できるとのことだ。
Streaming Agentsは常に稼働しており、企業に代わってダイナミックに動作し、大量のデータストリームを処理し、人間のオペレーターのようにコンテキストを認識した推論に基づいてリアルタイムに対応するとしている。たとえば、eコマースサイトの価格を継続的に監視し、顧客にとって最も競争力のあるオファーをするために、小売業者のサイトの商品価格を自動的に更新することで、競争力のある価格設定を行えるという。
Streaming Agentsの主な機能は次のとおり。
- コンテキスト認識型自動化ツール:MCP(モデルコンテキストプロトコル)によるツールの呼び出しにより、エージェントは、データベース、SaaS、APIなどの適切な外部ツールを選択して、意味のあるアクションを実行できる。ツール呼び出しは、ビジネスで何が起こっているか、他のシステムやエージェントが何をしているかを考慮する
- セキュアな統合のための接続:Flinkを使用して、モデル、ベクトルデータベース、MCPに直接安全に接続する。接続は、機密性の高い認証情報を保護し、複数のテーブル、モデル、関数間で接続を共有することで再利用性を高め、大規模な導入の管理を一元化。機密情報を保護するだけでなく、複数のテーブル、モデル、関数間で接続を共有し再利用性を高め、大規模な展開における管理を中央集約化
- 外部テーブルと検索機能でAIの精度を向上:ストリーミングデータに、リレーショナルデータベースやREST APIなどのKafka以外のデータソースを確実に追加して、最新かつ包括的なデータを提供する。これにより、AIの意思決定、ベクトル検索、RAG(検索拡張生成)アプリケーションの精度が向上する。Flink SQLを使用することで、コストと複雑さが軽減されることに加え、Confluent Cloudのセキュリティおよびネットワーク機能が活用できる
- 反復と安全性を確保するためのリプレイアビリティ:エージェントは、ライブ環境への影響を回避した上での実データを使用した開発および評価ができるため、ダークローンチやA/Bテスト、より迅速な反復が可能に
Streaming Agentsは、すでにオープンプレビュー版として利用可能になっているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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