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人材は「天下の回りもの」NICT園田氏が語る、生成AI時代のセキュリティ人材育成で企業が見るべき視点

生成AI活用で懸念される人材の“空洞化”リスクに、組織はどう向き合うべきか

人材は「天下の回りもの」育成型組織への転換がもたらす効果

 セキュリティ人材の不足が深刻化する中、企業が人材を確保するにあたっては、「自社の立ち位置をどう設定すべきか」という問題も考えなければいけない。というのも、仮に優れた人材を社内で育成できたとしても、その人材はより多くの報酬や活躍の機会を提供できる有力企業に引き抜かれてしまう可能性がある。その場合、報酬面などで劣る企業が優秀な人材を永続的に留めておくためには何をすべきなのか。

 園田氏は「“優れた育成環境”を生かした人材獲得の方法を考えるべきだ」と語る。優れた人材を発掘・育成した後、その人材が有力企業に移籍してしまったとしても、「優れた人材を育成できた」という点を売りにして新たな人材を獲得し、成長へのモチベーションを維持・向上させることは可能だろう。つまり、魅力的な職場環境やスキルアップの機会を提供する“育成型”の組織になることが重要なのだ。もはや終身雇用を前提としない現代において、企業は「人材は天下の回りもの」という認識を持つ必要がある。

 また、こうした育成の仕組みを考えるうえで、生成AIの進化も見逃せない。今年5月、英国のとある研究者が「OpenAI o3を使い、Linuxのksmbdゼロデイ脆弱性を見つけた」というブログを発表し、大きな話題を集めた[6]。これは、生成AIの能力が人間のコード監査能力に迫りつつあることを示す出来事であり、脆弱性探索の自動化が大きく進展する可能性を示唆している。

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 もし、脆弱性探索の分野で生成AIが十分な実用性を獲得すれば、システムの脆弱性は大幅に減るかもしれない。そうなれば、攻撃者にとって脆弱性探索の難易度が格段に高まり、サイバー攻撃がビジネス化している現況が大きく様変わりする可能性がある。企業は、そのような未来を前提として、人材の二極化や成長の停滞を招かない“空洞化しない”育成の仕組みを考えなければならない。

 これらを踏まえると、今後は「既存の知識を検索して組み合わせるタスクは生成AIに任せる」といった役割分担が進むだろう。人間は、単純な知識の検索だけではカバーできない、より高度な思考活動を担うことになる。具体的には、組織独自の業務フローや、それに基づくセキュリティ設計など、創造性が求められる領域を担い続ける。

 生成AI時代に求められる人材育成の核心は、「考える力をいかに伸ばすか」ということに集約される。園田氏がイメージする「考える力」とは、断片的な情報から全体像を類推するフェルミ推定のような連想力、まったく異なる分野の知識を組み合わせる発想力、内受容感覚など人間に備わるセンサーをフルに生かした思考力などを指す。また、それらによって得た考えを適切に言語化し、生成AIを含む他者に伝える力も不可欠となる。これらの力は、単純な議論や意見交換の場だけで養えるものではないだろう。

 「今後は、人の『考える力』とは何なのかを徹底的に思考し、この力を備えた人材を育成していくことが重要になるのではないでしょうか。そして、この能力を持った人材こそが、生成AIをうまく使いこなして課題を解決するという世界になっていくのだと思います」(園田氏)

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この記事の著者

名須川 竜太(ナスカワ リュウタ)

編集者・ライター
編集プロダクションを経て、1997年にIDGジャパン入社。Java開発専門誌「月刊JavaWorld」の編集長を務めた後、2005年に「ITアーキテクト」を創刊。システム開発の上流工程やアーキテクチャ設計を担う技術者への情報提供に努める。2009年に「CIO Magazine」編集長に就...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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