SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2026 Spring

2026年3月 オンライン開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

EnterpriseZine Press(AD)

金融機関が頼る“HAクラスター”の価値 AI時代の「止められないシステム」をどう守るか

複雑化する金融システムの課題と対策──4社の視点から “最適解”を探る:サイオステクノロジーの視点

オンプレミスやクラウド、仮想化……止められないシステムをどう守る

岡本:可用性を担保することは、ミッションクリティカルなシステムを運用する金融機関や特定社会基盤事業者にとっても極めて重要ですよね。そうしたニーズにLifeKeeperはどのように応えているのでしょうか。

吉岡:金融機関や特定社会基盤事業者のお客様は、「システムを絶対に止めない」というミッションを遂行するため、他業種と比べるとクラウド化に慎重でした。しかし、今やメガバンクを筆頭にシステムの用途によっては、クラウドや生成AIなどを積極的に採用しています。

 その結果、オンプレミスやクラウド、仮想化環境などでインフラが混在し、それぞれで複数の製品・サービスを使い分けているため、結果的にシステム運用が非常に複雑化しています。その点、LifeKeeperは主要なクラウドサービスはもちろん、その上で稼働するさまざまなアプリケーションやミドルウェアもサポートしていますから、複雑化しているシステム全体にわたってオペレーションを標準化できます。

岡本:LifeKeeperというと、これまではデータベースやサーバーの可用性を担保するための製品というイメージもありますが、最近ではファイル連携サービス「HULFT」やジョブ管理製品「JP1」、電子帳票システム「SVF」といったような、エンタープライズ向けアプリケーションを含む、多様な業務システムを保護対象とするケースが増えていますね。

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部 編集長 岡本拓也
株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部 編集長 岡本拓也

吉岡:今名前を挙げていただいた製品は、どれもエンタープライズのお客様で広く利用されています。多くの金融機関や特定社会基盤事業者も導入しているため、可用性を担保するために「LifeKeeperと組み合わせて導入したい」というニーズが自ずと多いような状況です。だからこそ、お客様やSIerの皆さまに安心して製品を導入・利用していただくため、ベンダー各社と密接に連携しているのです。

岡本:ユーザーはどのようなメリットを享受できるのでしょうか。

吉岡:互いの製品を組み合わせても正常に動作することを、ベンダー側であらかじめ検証して保証対象にしていますから、事前の検証作業などがスムーズです。また、製品導入後に問題が発生した場合も、サポート窓口をたらい回しにされるようなこともなくなります。

 さらにはLifeKeeperが保護対象とする製品の具体的なHAクラスター構成の構築手順についても、弊社や製品ベンダーが正式なドキュメントを公開している点も心強いでしょう。弊社でも、LifeKeeperをJP1やSVFなどと組み合わせて使うための方法をドキュメントとして公開しています。実際に「こうした情報公開やベンダー同士の連携体制が製品選定の決め手になった」という、お客様の声もよくうかがいます。

岡本:実際に、そうした連携が高い価値を提供できた事例を教えていただけますか。

吉岡:ふくおかフィナンシャルグループの一員で、「Wallet+」というモバイルアプリケーションを開発・提供しているiBankマーケティングでは、元々他の金融機関とのデータ連携にHULFTを利用しており、サービスのスケーラビリティをより高めるためにシステム全体をクラウド環境(AWS)に移行することになりました。そのとき「AWS環境上でHULFTの可用性をどう担保すればいいのか」という課題に直面したため、HULFTの開発元であるセゾンテクノロジーと弊社で連携し、HULFTとLifeKeeperの組み合わせをAWS上で利用するための情報を提供しました。これにより最終的にお客様には安心して採用いただけました。

岡本:ベンダー同士でしっかり連携して情報発信や製品の検証などを行っていれば、ユーザーはもちろんのこと、製品をユーザー先に導入するSIerにとってもメリットは大きそうですね。LifeKeeperは20年以上の歴史と実績を持つ製品ですから、金融機関や特定社会基盤事業者にソリューションを提供するSIerにとっても心強いと思います。ちなみにそうしたベンダー同士の連携の輪を、今後さらに広げていく予定はあるのでしょうか。

吉岡:はい。より多くのベンダーと連携することで、お客様の多様なニーズに応えていきたいと考えています。既に名前が挙がっているJP1やHULFT、SVFなどとは、LifeKeeperでHAクラスター構成にできる「Application Recovery Kits(ARK)」というオプション製品を提供していますが、それ以外の製品には「Quick Service Protection(QSP)」と呼ばれるOSのサービスとして起動・停止・監視ができるアプリケーションで、スクリプト開発なしに簡単な操作でHAクラスターを構成できます。

 たとえば、セゾンテクノロジーが提供している「DataSpider」は、現時点でARKは提供されていないものの、QSPを使えば短期間でLifeKeeperの保護対象にでき、その動作検証をセゾンテクノロジーと実施済みです。

次のページ
AI時代にも「HAクラスターソフトウェア」は欠かせない

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:サイオステクノロジー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/22749 2025/11/13 10:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング