ソニー銀行の新勘定系システムを安定稼働に導いた「メール配信」の真価 銀行の当たり前を守る絶対要件とは
富士通・ユミルリンク・ソニー銀行3者で築いた「次世代デジタルバンキング」のコミュニケーション基盤
メール配信を超えた「コミュニケーション基盤」へ:3者が掲げる構想
3者の連携により、リリース後もノートラブルで安定稼働を続けているソニー銀行の次世代デジタルバンキングシステム。今後の展望について西沢氏は、「『安定稼働』を引き続き最重要視しつつ、次のステップとしてビジネスを大きくしていくことを目指しています。今後は、既存の商品に加え、新しい商品やサービスをこの基盤上で提供していく計画です」と述べる。
富士通としては、「クロスバンクをデファクトスタンダードとして展開し、ソニー銀行の事例をもとに他行への機能提供を容易にするなど、金融ビジネスの可能性を広げていきたいです」と西坂氏。クロスバンクは、BaaS(Banking as a Service)モデルの勘定系としても利用でき、金融機能を提供したい異業種の企業や銀行代理業者に対しても機能を柔軟に切り出して提供できる特長をもつ。こうした強みを活かして横展開し、金融業界全体のボトムアップに貢献していきたいとした。
さらに、富士通とソニー銀行は、AIを開発プロセスに活用する新しい技術的取り組みも進めている。クラウドネイティブならではの特徴を最大限に活用し、様々な外部サービスとの連携や新技術の導入を行うことで、開発の効率化、品質の向上とともに、迅速な新商品・サービスの提供に取り組んでいくという。
一方、ユミルリンクは、メール配信にとどまらない「メッセージングプラットフォーム構想」を掲げる。メールだけでなく、プッシュ通知やSMSなど様々なメッセージング手段を提供しており、顧客との「コミュニケーション基盤」という立ち位置でクロスバンクのさらなる進化に貢献しようとしている。
佐藤氏は「メールはあくまでメッセージを届ける一つの手段として捉えており、将来的にはLINEやチャットボットといった手段も含め、届ける対象に適したメッセージ手段を提供できるシステムとして成長させていきます」と述べる。ユミルリンクは、AIを活用した自動チャットボットなど、メールを超えた新しいコミュニケーションビジネスをソニー銀行と共に実現していくパートナーを目指すこととなる。
今回の3者の協業は、クラウドネイティブという先進的な仕組みでレガシーな金融機関システムを近代化するモデルケースとなるだろう。今後も技術的プレゼンスと安定性を両立しながら、金融業界全体の底上げに貢献していくことが期待される。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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提供:ユミルリンク株式会社
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