エミレーツ・フライト・ケータリング(EKFC)は、デジタルインフラのモダナイゼーション、および業務効率、透明性、持続可能性の向上を目指し、製品・サプライヤー・顧客データ間の断片化を解消するためインフォマティカのマルチドメインクラウドマスターデータ管理(MDM)SaaSプラットフォームを導入した。
これにより、顧客ニーズへの対応力を高め、きめ細やかにパーソナライズされたサービスを提供するための深いデータ理解が可能になるとしている。
エミレーツグループの基幹事業であるエミレーツ・フライト・ケータリングは、100社以上の航空会社向けに1日22万5千食以上を製造。複雑なケータリング施設を運営しているという。その安定した運営は、大規模な生産能力だけでなく、調達、在庫管理、物流の緊密な連携により、常に高品質な食事を時間通りに提供することによって支えられているとのことだ。
同社でIT情報システム部門バイスプレジデントを務めるTad Nadolny氏は、次のように述べている。
「エミレーツ・フライト・ケータリングでは、正確なリアルタイムなデータが、あらゆる食材、レシピ、食事、意思決定の基盤となっています。インフォマティカと提携し、同社のクラウドMDM SaaSソリューションを導入することで、当社全体および数百のサプライヤーがアクセス可能な、信頼性の高い統合データ基盤を構築することができました。AIファーストかつクラウドファーストモデルへの移行により、データガバナンスとサプライヤー連携を強化し、業務の効率化、可視性の向上、持続可能性の取り組みの加速を実現します。インフォマティカの統制されたマテリアルオンボーディングワークフローとサプライヤー向けセルフサービス機能は、高水準のデータ品質を維持するための鍵となっています」
この変革の中核となるのが、インフォマティカのMDM SaaSプラットフォームを基盤としたサプライヤー向けセルフサービスポータルの導入だという。これにより、300社以上のサプライヤーネットワークにデータガバナンスが適用されたワークフローを提供し、入力時点でのデータ精度を向上させ、調達サイクルを直接加速させるとしている。データオンボーディングとガバナンスの標準化を通じて、顧客ニーズに迅速に対応するための業務上の俊敏性を構築し、同時にESGおよび持続可能性への取り組みを効果的に測定するために必要なデータ透明性も確保しているとのことだ。
短期的には、この統合により、サプライヤーと社内チームが単一のクラウドプラットフォーム上でシームレスに連携できるようになり、在庫管理の改善と柔軟な生産計画が可能になるという。これは、精密さとスケールの両立を求める事業運営において不可欠であり、グローバルな顧客が求める高い需要に応えるものだとしている。
EKFCは将来的に、完全な透明性と迅速な対応を実現するサプライチェーンを構想しているとのことだ。製品代替やリコールに関する情報の即時更新、廃棄物を最小限に抑えるスマートな在庫管理、プロセス自動化と継続的な改善機会の発見を可能にするAIによる予測分析の実現を目指しているという。
データガバナンス体制の強化にともない、同社はインフォマティカのMDM SaaSソリューションおよびEKFCデータプラットフォームに組み込まれたAI機能を活用し、業務ニーズの予測、反復プロセスの自動化、継続的改善に向けた新たな機会の発見を計画していると述べている。
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