脱モノリシック構造・脱サイロ化へ!SMBC日興証券が挑むグループ共通「API基盤」構築
APIは事業変革の中核的テクノロジーに:Kong API Summit Japan 2025レポート
金融業界のシステムは長年にわたり堅牢性と継続性を追求してきたが、その代償としてモノリシックな構造が開発の硬直化を招き、新サービスの俊敏な展開が求められるにつれ障壁となっていった。そこでSMBC日興証券は2025年、API基盤にKongを導入し、フロント・ミドル・バックを分離する次世代アーキテクチャへの転換に着手した。2025年11月12日に開催された「Kong API Summit Japan 2025」に登壇した同社が登壇し、API戦略の全容とKong導入の理由を語った。また、講演後のインタビューではシステム企画部のメンバーに、API基盤構築の流れと挑戦にあたっての課題・展望を伺うことができた。
「ビジネス戦略=システム戦略」の時代、API基盤がすべての中核となる
SMBCグループ傘下の総合証券会社として、従業員約1万人、国内105拠点、海外14拠点を擁するSMBC日興証券。1918年創業の川島屋商店を起源とし、100年以上の歴史を持つ。SMBCグループに参画したのは2009年だ。同社の執行役員システム担当を務める吉岡伸輔氏は、システム部門のビジョンについて次のように述べた。
「我々システム部門は、テクノロジーによってビジネス戦略をドライブしていくことを目指しています。今の時代は『ビジネス戦略=システム戦略』といっても過言ではないからです」(吉岡氏)
かつては事業部門のサポート役のような立ち位置として見られることが多かったテクノロジー関連の部門が、今や経営戦略の遂行に不可欠な存在となり、戦略そのものになっているようだ。
APIは、そんな同社が描く戦略の中核にあると吉岡氏。APIの強固な基盤を構築することで、クラウド上のデータをAIで活用したり、セキュリティやガバナンスを確保しながらローコード開発を推進したりと、すべての分野で次世代のデジタル基盤を強化することが可能になると説明した。
また、APIと分散アーキテクチャの進化により、APIプラットフォームそのものが事業競争力の中核を担いつつある。まさにその中核として2025年に導入したのが、API基盤のKongだ。
「システムによってビジネス戦略を実現する。そしてビジネスとITの共創体制を作る。これらにより、デジタルと対面営業を組み合わせたサービス品質向上を目指しています。目指すのは『金融の枠を超えたお客さま体験を提供する、先端テックカンパニーへの進化』です」(吉岡氏)
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
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