茅ヶ崎市は、メタップスホールディングスが提供するAWSコスト管理ツール「srest(スレスト)」をガバメントクラウド環境へ正式導入すると決定した。
同市は、「共同利用方式」のガバメントクラウド環境において、全国初となるsrestの実証実験を2025年9月より開始。この実証を通じて、共同利用方式特有の構造的な課題が解決され、継続的にコスト最適化を推進できる基盤が確認されたとのことだ。これを受け、本格運用をスタートするとしている。
茅ヶ崎市は、多くの自治体が採用する共同利用方式に加え、マルチベンダー体制でガバメントクラウドを活用しているとのことだ。この構造的な制約から、以下の運用課題が浮き彫りになっていたという。
- 共同利用方式とマルチベンダー体制下における請求・検収業務の多大な工数および運用ベンダーとのコミュニケーションコストの発生
- 共同利用方式による、AWS利用料データへのアクセス制限とクラウド利用料の内訳・全体像の把握困難
- 担当者のクラウド知識のバラ付きや異動が多い組織構造による、クラウドコストの継続的な管理
- 煩雑な検収作業に労力を割かれることによる、コスト最適化の検討・議論の停滞
実証実験で得られた課題解決
実証実験を通じて、共同利用方式における複雑な請求・検収の課題が解決し、コスト最適化に向けた土台が整い、以下の効果が確認されたとのことだ。
1. 請求・検収業務の効率化を実現
運用ベンダーを介さずに、自治体側でコスト構造を直接把握できる環境が整備されたという。今回の実証実験を通じてテスト開発されたレポート機能などにより、自治体の検収業務に最低限必要なコスト情報を直接入手することが可能となり、これまで発生していたタイムラグやコミュニケーションコストの効率化が実現したと述べている。
2. 運用ベンダーと連携したコスト最適化への基盤構築
リアルタイムでコスト情報が把握可能となり、庁内でのコスト比較や議論が促進される基盤が整ったとのこと。また、コストの詳細について具体的な目星をつけた状態でベンダーと協議できるようになったとしている。これにより、運用ベンダーと連携したクラウドコスト削減に向けた取り組みの加速が期待されると述べている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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