2026年2月5日、Gartnerは、2026年に注目すべきサイバーセキュリティのトップトレンドを発表した。AIの急拡大、地政学的緊張、不安定な規制環境、そして加速する脅威の拡大が、トレンドを牽引しているという。
以下6つのトレンドは、ガバナンスの変革、新たな領域への対応、AI導入の標準化など広範な影響をもたらすとしている。
トレンド1:エージェント型AIにはより厳格なサイバーセキュリティ強化が必要
エージェント型AIは従業員や開発者によって急速に利用されており、新たなアタックサーフェス(攻撃対象領域)を生み出している。ノーコード/ローコードプラットフォームやバイブコーディングの普及もこれを加速させており、管理されていないAIエージェントの増加、セキュリティが確保されていないコード、規制遵守違反の可能性をもたらしているとのことだ。
トレンド2:世界的な規制環境の不安定化がサイバーレジリエンス強化を促進
地政学的状況の変化や世界的な規制要件の進化により、サイバーセキュリティは組織のレジリエンスにも直結する重要なビジネス課題となっている。規制当局が取締役会や経営幹部に対してコンプライアンス違反の責任を追求するケースが増加しており、対応を怠ると多額の罰金、事業損失、そして回復不能な信用失墜という深刻な結果につながる恐れがあるという。
同社は、サイバーセキュリティリーダーに対し、法務部門、事業部門、調達部門との連携体制を構築し、サイバーリスクに対する明確な責任体制を確立することを推奨している。コントロールフレームワークを業界標準と整合させることやデータ主権への対応が、コンプライアンス上のギャップの縮小に寄与するとのことだ。
トレンド3:ポスト量子コンピューティングが実行計画に組み込まれる
Gartnerは、量子コンピューティングの進展により、組織がデータやシステムの保護に依存している非対称暗号が2030年までに安全でなくなると予測している。長期的な機密データを狙った「今収集して後で解読(Harvest Now, Decrypt Later)」攻撃によるデータ漏洩、法的責任、財務損失を回避するため、ポスト量子暗号への移行も含めた備えが今すぐ必要だという。
トレンド4:アイデンティティ/アクセス管理がAIエージェントに適応
AIエージェントの台頭により、従来のアイデンティティ/アクセス管理 (IAM) 戦略に新たな課題が生じている。特に、マシンのID登録とガバナンス、認証情報の自動化、ポリシーベースの権限付与などが課題とのことだ。これらの課題に対応しない場合、自律型エージェントの普及にともない、アクセス関連のサイバーセキュリティインシデントのリスクが高まるとしている。
同社は、ギャップやリスクが最も大きい領域に優先投資し、可能な限り自動化を活用するリスクベースのアプローチを推奨している。これは、AI中心の環境でイノベーションを促進し、コンプライアンスを確保し、重要資産を保護するために不可欠とのことだ。
トレンド5:AI駆動型SOCソリューションが運用の常識を揺るがす
コスト最適化とAIの普及を背景に、AI対応SOCの登場が新たな複雑性をもたらしている。これにより、スタッフの負担増、スキルアップの必要性、AIツールのコスト構造の変化が生じているという。一方で、アラートのトリアージや分析ワークフローの効率化も進んでいる。
トレンド6:生成AIが従来のサイバーセキュリティ意識向上策を打破
生成AIの導入が加速する中、従来のセキュリティ意識向上策は依然としてサイバーセキュリティリスクの低減に失敗し続けているという。Gartnerが2025年5月から11月に、175名の従業員を対象に実施した調査では、57%以上が業務に個人の生成AIアカウントを利用し、33%が未承認ツールに機密情報を入力したことを認めているとのことだ。
同社は、一般的な意識向上トレーニングからAI特有の課題を含む適応型行動/トレーニングプログラムへの転換を推奨している。ガバナンスの強化、安全な実践方法の定着、承認された利用に関するポリシー策定により、プライバシー侵害や知的財産の損失リスクを低減できるとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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