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データは記録からAIの糧に──50年分のレガシーDWH刷新で、アフラック「AX」の基盤が整う

第45回:アフラック生命保険株式会社 データ統括部 部長 建部友美さん

現場とデータサイエンティストの間に立つ「仲介者」の存在意義

酒井:データを活用して価値を生み出すには、顧客や現場を深く理解した上で、具体的な解決策に落とし込んでいくことが不可欠です。アフラックではそうした役割を「ユースケースPM」と「データサイエンティスト」の2つに分けていらっしゃいますね。この体制にした背景を教えてください。

建部:2018年にデータ分析を本格化したのですが、当時はまだ社内にデータサイエンティストが一人もいなかったんです。そこで中途採用で専門人材にジョインいただいたのですが、当然ながら最初から保険の業務知識はありません。そこで、社内公募の形でマーケティング、営業、オペレーション部門などから人材を募り、「ユースケースPM」という職種を作って、データサイエンティストとセットで動くようにしたんです。

 ユースケースPMの役割は、現場の課題やニーズをヒアリングして要件に落とし込むこと。データサイエンティストはそれを受け、データの収集や特徴量の探索、そして高度な分析を行うためのAIモデルの構築・検証を行います。データサイエンティストの説明を事業部門が理解できるよう翻訳する役割も、ユースケースPMが果たしてくれています。

酒井:データ活用を浸透させるには、ユースケースPMの働きがカギを握りそうですね。

建部:まさにそうなんです。ユースケースPMの皆さんは、現場で感じていた課題をデータで解決したいという思いで来てくれるので、その熱量が本当にありがたい。お客様理解も深いので、事業部門への提案まで自分たちで持っていけるんですよね。

画像を説明するテキストなくても可
(左)ノンフィクションライター 酒井真弓(著者)

酒井:2つの役割の間で摩擦が生じることはありませんか?

建部:絶えず議論はしていますね。データ分析って終わりがないんです。気になるテーマと出会ったら、データサイエンティストはどこまでも追求したいのが本音でしょう。でも、ビジネスには期限がありますから、ユースケースPMは、スケジュールやコストとの兼ね合いで、どこかで線を引かねばなりません。お互い譲れない部分がある中で、どう折り合いをつけていくかが大事。ですから、この体制をうまく機能させるには、ユースケースPMとデータサイエンティストの間の信頼関係が不可欠なんです。

酒井:ユースケースPMとデータサイエンティストが協力することで、どんな成果が出ていますか。

建部:一つは営業アプローチの最適化です。「代理店の営業担当が優先順位をつけずにお客様へアプローチしている状況をどうにかしたい」という声から生まれました。お客様の契約情報をもとにAIで予測モデルを構築し、「このお客様にはこの商品を」「連絡はこの時間帯に」といった情報をスコア化して代理店様に提供しています。スコアの高い順にアプローチするだけで、成約率が何倍も高まるという結果が出ました。

 もう一つは引受査定の緩和です。「保険に入りたいのに入れないお客様の悩みに応えたい」という現場の思いが出発点でした。保険に加入する際、既往症があると引き受けを断られるケースがあります。これまでは国が出している統計データをもとに判断していたのですが、アフラック独自の引受情報や医事統計を分析したところ、当社のリスク許容範囲内であれば引き受けられる既往症があることが分かったんです。審査部の医長と議論を重ね、新商品でその既往症のある方も加入できるよう緩和しました。

 「保険に入りたくても入れない」というお客様の悩みに寄り添うことは、創業以来アフラックが大切にしてきた「がんになった方を経済的苦難から救いたい」という思いに通じるものがあって、やりがいを感じた取り組みでした。

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研修で終わらせない、“地続きの実践プログラム”による草の根活動

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この記事の著者

酒井 真弓(サカイ マユミ)

ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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