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酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

データは記録からAIの糧に──50年分のレガシーDWH刷新で、アフラック「AX」の基盤が整う

第45回:アフラック生命保険株式会社 データ統括部 部長 建部友美さん

大学院での恩師に衝撃 “なんとなく進学”が一転「私も働かねば」

酒井:建部さんは2006年の入社以来、どんなキャリアを歩んでこられたのですか?

建部:初めはSEとして代理店向けのウェブサイト開発に携わり、PMの経験を積みました。2016年にダイバーシティ推進部に異動になりました。これまで積み上げてきたITの知識がまったく役に立たなくて、最初は「私はなんてできないんだろう」とモチベーションが下がることもありましたね。

 2016年当時、ダイバーシティ推進部は社長直轄組織で、毎月の委員会にも各部門の役員がずらっと並ぶんです。IT部門では他部署の役員と話す機会はほとんどなかったので、会社にはIT以外にもいろんな考え方があるんだと肌で感じました。仕事の進め方も考え方も全然違って、本当に勉強になりましたね。

 「キャリアには2つ軸を持つといい」と教えていただいたことがあります。まさにその通りですね。ITという縦軸に、ダイバーシティ推進部で培った推進力という横軸。T字型のスキルを持つことで、どこへ行ってもどうにかして価値を発揮できる人になるんだと思います。

酒井:建部さんは大学院で美術史を専攻されていたそうですね。

建部:就職のことなんてまったく考えてなくて、親に「じゃあ大学院に行ったら」と言われるがままに進学しました。大学でスペイン語を専攻していたので、スペイン美術をやろうかなと、そんなぽやぽやした感じだったんですよ(笑)。

 ところが、門を叩いた若桑みどり先生は、フェミニストだったんです。最初の授業でいきなりジェンダーの話が始まりました。当時は「ジェンダー」という言葉自体が目新しく、「ジェンダーとは文化的差異である」と言われてもピンときませんでしたね。でも、若桑先生から家父長制というものを学んだとき、まさに私が育ってきた環境だと気づき、ガツンとパラダイムシフトが起きました。考え方がもう180度変わって、「私も働かなければ」「女性がリーダーになるのが当たり前の世の中でなければおかしい」と。学生時代は女性がリーダーになることって珍しくないのに、社会に出た途端にそうならなくなっていく。そのメカニズムを学び、これではいけないという思いが強くなりました。母は、「大学院なんか行かせるんじゃなかった」と後悔したんじゃないかな(笑)。

酒井:まさに人生を変えてくれた先生ですね。リーダーを目指す女性にどんな言葉をかけますか?

建部:意識してほしいことが3つあります。1つはチャンスに躊躇しないこと。「チャンスの女神には前髪しかない」と言いますよね。ITやAIの進化は凄まじくて、次々と新しい技術が出てきます。好奇心を持ってチャレンジしてほしいと思っています。

 2つ目は、自分で考え抜いた意見をしっかり発言すること。言いたいことを言わずに胸にしまってしまう女性って、すごく多いなと感じています。でも、意見した経験は、たとえそれが間違っていたり、失敗したりしても学びになるけれど、言わなかった後悔からは何も生まれないんですよね。

 3つ目は、社内外のネットワークを作ること。私は、2014年に企業の女性リーダーの育成を支援する組織「J-Win」に参画しました。そこで出会った仲間たちと、もう10年ほど毎年旅行に行く付き合いになっています。10年も経つと執行役員になるメンバーも出てきて、活躍に触れるたびに「私も頑張ろう」って思えるんです。自社の常識が他社の常識とは限らない。社外のキャリア志向の女性たちのネットワークは、いつも刺激をくれる大切な存在です。

画像を説明するテキストなくても可
イノベーション組織拠点である「Aflac Innovation Lab」(東京・青山)にて

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この記事の著者

酒井 真弓(サカイ マユミ)

ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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