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11g R2 RACとGrid Infrastructureのバックアップと障害復旧

edited by DB Online   2013/05/07 12:00

2. RAC データベースの復旧

 本章では、RACデータベースの復旧方法について説明します。

 バックアップと同様に、復旧の方法もシングル・インスタンス環境と同じです。たとえば、データファイル破損の障害が発生した場合、シングル・インスタンス環境と同様に、破損したデータファイルをリストアし、リカバリを実行することで復旧できます。

 RACにおける復旧作業でたまに誤解される方がいらっしゃいますが、データベース障害に関わる復旧作業は、クラスタを構成するすべてのノードで実施する必要はありません。クラスタ内のいずれか1つのノードのみで実行すれば十分です。なぜならば、RACは複数ノード(≒複数インスタンス)でデータベースを共有しており、データベースの実体はクラスタ内でただ1つだからです。

RAC データベースの障害復旧手順

 先に説明したとおり、データファイル破損の発生時は、破損したデータファイルをリストアし、リカバリを実行することで復旧できます。

 もちろん、データベースの障害にはデータファイルの破損以外にも様々なケースが考えられますが、全てのケースを網羅して説明するのは困難であるため、今回はデータファイル、制御ファイル、SPFILEが損傷した状況を想定して復旧の手順を説明します。

 以下の手順で復旧作業を実施し、障害に対処します。

 ① "nocatalog"オプションを指定してRMAN起動
  ② DBIDを設定する
 ③ STARTUP NOMOUNTで起動
 ④ SPFILEのリストア
 ⑤ リストアしたSPFILEを読み込ませるため、SHUTDOWN IMMEDIATEで停止し、STARTUP NOMOUNTで起動
  ⑥ 制御ファイルのリストア
 ⑦ ALTER DATABASE MOUNTコマンドで、マウント状態にする
 ⑧ データファイルをリストアする
 ⑨ データファイルをリカバリする

RACデータベース復旧作業の実行例

 ※特に指定がない場合、※oracleユーザー(データベース管理ユーザー)でコマンドを実行します。

 データベース復旧作業にかかわるコマンドは、基本的にRMANから実行します。今回のケースでは、制御ファイルが破損しているため、"nocatalog"オプションを指定してRMANを起動します。

 

 

 

 

RMANのSET DBIDコマンドを実行して、DBIDを設定します。DBIDは、過去のRMANの実行ログや、制御ファイルの自動バックアップのファイル名などから確認できます。

 
 

 

 

 

NOMOUNTモードでデータベースを起動します。SPFILEが存在しない場合、パラメータファイルのない状態でも一時的にインスタンスを起動できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 RMANのRESTORE SPFILE コマンドを実行して、SPFILEをリストアします。 自動バックアップからリストアするため "from autobackup"句を付与します。

 RMANのRESTORE SPFILEコマンドの書式は以下の通りです。

 RMANのRESTORE SPFILEコマンドの実行例は以下の通りです。

 リストアしたSPFILEをインスタンスに読み込ませるため、一旦SHUTDOWN IMMEDIATEでインスタンスを停止した後、再度NOMOUNTモードでインスタンスを起動します。

 

 

 

 

 

 

 

 RMANのRESTORE CONTROLFILEコマンドを実行して、制御ファイルをリストアします。 自動バックアップからリストアするため "from autobackup"句を付与します。

 リストアした制御ファイルを読み込むため、ALTER DATABASE MOUNTコマンドで、マウント状態にします。

 

 

 

 RMANのRESTORE DATABASEコマンドで、データファイルをリストアします。 RMANが自動で最適なバックアップを選択し、リストアします。

 RECOVER DATABASEコマンドで、データファイルをリカバリします。 RMANが自動で最適なバックアップを選択し、リカバリします。

 以上で、RAC データベース復旧手順は完了です。


著者プロフィール

  • 宮川 大地(ミヤガワ ダイチ)

    株式会社 コーソル  Oracleサービスグループ     2006年に独立系SIer入社。主に、Oracle DBを中心としたミドルウェアの構築、運用保守業務に従事した。お客様満足の追求や、後輩の指導育成などのリーダー業務にはやりがいを感じていたが、Oracle DBのスキルをもっと深堀したいと考え、2011年11月にコーソルへ転職。コーソルでは、複数ユーザー専任の後方技術支援部隊にて、Oracle DBを中心としたミドルウェアの設計・構築、運用支援などの業務に従事。コーソル内でまだ数少ないExadata運用支援の経験者でもある。  2012年11月にORACLE MASTER Gold Oracle Database 11gを取得。  趣味は草野球とゴルフ。草野球は年間30~50試合、ゴルフは月1~2ラウンド程度。コーソル野球部では主にキャッチャーとして活躍している他、プライベートのチームでも活動中。ゴルフは80台も出すが100も叩く典型的な中級者。

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