SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

DB Press

新興ベンダーのピュア・ストレージ、新製品投入でオールフラッシュストレージ市場に新たな旋風を巻き起こすか

 エンタープライズ向けオールフラッシュストレージ製品の新興ベンダーであるピュア・ストレージが、従来の「FlashArray 420」に加え、エントリーモデルの「FlashArray 405」および上位モデルの「FlashArray 450」という2つの新製品を発売した。合わせて、ストレージOSのバージョンも更新し「Purity 4.0」として提供を開始する。

カタログ上のピーク性能が高ければいいというわけでない

 ピュアストレージ・ジャパン株式会社代表取締役の山田秀樹氏
ピュアストレージ・ジャパン株式会社 代表取締役 山田 秀樹氏

 「正直、日本の顧客が我々の製品を受け入れてくれるか不安もありました。しかし、いくつかの大手企業が実際に製品を採用してくれ、リピートオーダーももらえています。日本市場でもうまくやれると確信しました」

 ピュアストレージ・ジャパン株式会社代表取締役の山田秀樹氏は、自社製品が素晴らしいものであることは分かっていたので、いち早く日本の顧客に届けたかった。とはいえ、日本の市場で理解されるかどうかは不安もあったと述べる。この不安は、ある意味同社の製品がそれだけユニークな存在だからだとも言える。

 製品には自信があったが、既存のFlashArray 420だけですべての顧客ニーズは満たせない。製品をすでに使っている顧客からも「もっと速く、もっと大きく、逆にもう少しスモールスタートできないかといった声もありました」と山田氏は述べる。そういったニーズを満たすために、今回新たにラインナップを拡充した。

 米国ピュア・ストレージ社のプロダクト&ソリューション・マーケティングディレクターであるジム・サングスター氏は、ピュア・ストレージの製品はすでに世界で1,000ユニット以上の製品を出荷しており、ペタバイトを超える事例も数多くあると言う。

 同社の創業が2009年、製品提供を開始したのが2012年5月。つまり、わずか2年間ほどの期間での実績であり、急激に採用が増えていると言ってもいいだろう。また、製品に満足できなければ返品できるという保証もしており、こうした取り組みが製品に対する自信の表れであると同時に、製品の普及を後押ししている。

 米国ピュア・ストレージ社のプロダクト&ソリューション・マーケティングディレクターであるジム・サングスター氏
米国ピュア・ストレージ社  プロダクト&ソリューション・マーケティング
ディレクター ジム・サングスター氏

 市場には、ピーク性能が100万IOPSを超えるような高性能を追求したフラッシュストレージ製品はすでに存在する。ピュア・ストレージの場合は40万IOPSほどなので、この数字だけであれば見劣りする。しかし、この100万IOPSといった性能値は、実際の顧客の稼働環境に適したものではないとサングスター氏は指摘する。

 100万IOPSを発揮する際のI/Oサイズは、4K程度とかなり小さい。それが倍の8Kになると50万IOPSくらいに性能が一気に低下するのが普通だ。さらにサイズが大きくなればどんどん性能は下がる。ピュア・ストレージの場合はピーク性能こそ40万IOPS程度だが、I/Oサイズが8Kになっても急激には落ち込まない。16K程度では高性能なフラッシュストレージの性能を逆転する。実環境ではI/Oサイズは20Kから50Kくらいが中心となる。I/Oサイズ32Kの際には、ピュア・ストレージの製品は高性能なフラッシュストレージの3倍程度の性能を発揮するといったベンチマーク結果もあるとのことだ。

 もう1つピュア・ストレージのユニークな点が、圧縮と重複排除の機能が標準で提供されていることだ。アーカイブ用途のストレージであれば重複排除は有効な機能だが、プライマーリーのストレージに重複排除機能を提供し高い性能を発揮するのは難しい。ピュア・ストレージでは重複排除もインラインでリアルタイムに行える。データの種類によって、重複排除で大きくサイズを削減できるものもあれば、圧縮のほうが効率的なものもある。両方が組み合わされていることで、どんなデータでもかなりサイズを小さくできる。なので、物理容量の5倍程度のデータを管理できるのがピュア・ストレージの特長となっている。

 圧縮と重複排除でデータサイズが小さくなることは、ストレージのI/O性能の向上に貢献する。また、ピュア・ストレージが利用しているMLC型SSDの弱点でもある書き換えの回数制限に対しても有効だ。自社システムのデータに対するストレージ容量の見積もりには、ピュア・ストレージのサイトに実データを使ってデータ削減率を試算するツールが用意されている。

次のページ
Forever FlashでSSDに対する耐久性の不安にも対応

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5873 2014/05/22 17:20

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング